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タイトル名 |
アウトサイダー(1983) |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2025-05-24 22:26:51 |
変更日時 |
2025-05-24 22:26:51 |
レビュー内容 |
『ワン・フロム・ザ・ハート』が大コケして破産の窮地に陥ったコッポラが、小品ながらも再起をかけて撮った作品。父のカーマインをはじめ三人の子供と家族総動員で苦境に立ち向かったという感じですが、あのスティービー・ワンダーの名曲"Stay Gold"がカーマインがこの映画のために作曲したオリジナル楽曲だったとは恥ずかしながら知りませんでした。 いわゆるYAと称された若手スターが総出演なんですが、今となって見るとほんと凄い顔ぶれでほとんどがオーディションで選ばれた面々、ラルフ・マッチオなんてこれがデビュー作ですからねえ。この中でもっとも成功しているのはもちろんトム・クルーズですが、初登場シーンでいきなり爆転(もっともこのシーン撮影では歯を折ったそうです)を見せるけど、ほとんど目立たないキャラだったとしか言いようがないです。いちおうグリーサーとソッシュという2グループの構想が軸となっているけど、パトリック・スウェイジ、ロブ・ロウ、C・トーマス・ハウエル三兄弟の物語がこの映画の主題なのは観てのとおりです。ここまで濃密な関係性の男兄弟というのも映画の中としても珍しいぐらいで、ロブ・ロウとC・トーマス・ハウエルが同じベッドで寝てるところなんか、ちょっとゾワってしたぐらいです。そういえばこの映画にはそこはかとなくゲイ的な要素が強めな気がするのですが、いかがでしょうか? コッポラ映画となると脚本やストーリーがどうしても注目されがちですが、彼の作品にはどれも独特の映像美があることを見逃してはなりません。本作でもまさに『風と共に去りぬ』を彷彿される美しい夕焼けや朝焼けのシーンには眼を奪われてしまいます。この美しい映像に"Stay Gold"が被さってくるのは、もう堪りませんぜ。あとちょっと気になったところは、1965年という時代設定なのに黒人やアジア系などがチョイ役を含めてまったく登場しないところでしょうか。かといって登場させると『地獄の黙示録』みたいにアジア人蔑視なんて非難を浴びせられるし、やっぱしそういう面ではコッポラは癖のある映画作家なのかもしれません。 |
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