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黒部の太陽 - S&Sさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 黒部の太陽
レビュワー S&Sさん
点数 8点
投稿日時 2014-12-24 21:45:03
変更日時 2014-12-24 22:03:14
レビュー内容
長い間封印されていて短縮版しか観れなかった伝説の映画だけに、こうやって完全版が鑑賞できるようになったことは素直に喜ばしいと思います。■観始めてまず感じたのは、現代の日本人の感覚からはかけ離れた(忘れられた?)価値観に満ち溢れているな、ということです。まず第一にあんな雄大な大自然を発破で吹き飛ばしトンネルを掘るなんてことには、いまのエコ重視の日本人には到底受け入れがたいことになるでしょうね。でも戦後間もなく貧しかったころには、電気のこない生活と言うのは個人にも企業にとっても死活問題だったことを無視してはいけないと思います。それは発展途上国では現代でも切実な問題で、“節電”に苦労するなんて昭和30年代に生きていた人々には想像もつかない贅沢だったんでしょうね。まさに「衣食足りて礼節を知る」と言うことです。■三時間超の映画ですが、こういうプロジェクトもの映画が陥りがちな説明映像で物語を進行させる愚は極力抑え、映像にストーリーを語らせる工夫を凝らしているところは大作映画らしくなく良かったです。ときには会話音や効果音をシャットアウトして三船敏郎や石原裕次郎の無言の芝居に映像を集中させるところなんかも良かったと思います。裕次郎の親父を演じた辰巳柳太郎がまた感情移入許させない様な激しいキャラで、この親子の葛藤はなかなかの迫力でした。■関電をはじめ参画した企業が全部実名で登場しているところも現在の日本映画界からは考えられない骨太さです。中でも滝澤修の関電社長は迫力がありました、熊谷組専務に手をついて頭を下げるシーンなんか、もう一筋縄ではいかない怪物財界人という感じでしたね。反面、史実では170人以上の殉職者を出したということには事実上映画では触れていないというのはどうかと思います、描かれた死者は三人(描写はないけど寺尾聡もその後死んでいるんじゃないでしょうか)だけですから。考えてみれば病死する三船敏郎の娘は、工事の成功のために山の神に差し出された人身御供だったと解釈することもできます。■全篇“土方”“労務者”といった放送禁止用語だらけのセリフなので地上波では放映は不可能でしょうね(笑)。でも、大手メジャーの手を借りずにこれだけの大作を撮りあげた石原裕次郎と三船敏郎の映画人としての功績は、伝説としてこれからも語り継がれてゆくことでしょう。
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