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タイトル名 |
裸のチェロ |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2025-05-18 21:52:23 |
変更日時 |
2025-05-18 21:52:23 |
レビュー内容 |
正直いうと、以前から私は女性の後ろ姿のヌードとチェロやヴァイオリンのシルエットに、近似性を感じていました。その私のちょっと人には言いづらい性癖をラウラ・アントネッリ=チェロという図式で映像化してくれるなんて、さすがイタリア映画です。 監督しているのがパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレで、この後にほとんど狂気と言えるほどのぶっ飛びぶりが強烈な『セックス発電』という私が愛して止まない艶笑コメディを撮っているんですよ。実は本来は小説家・脚本家で業績を残して来た人で、ヴィスコンティの『若者のすべて』『山猫』などでも執筆し、『祖国は誰のものぞ』ではアカデミー脚本賞にノミネートされています。60年代からは監督業にも進出して20年間で42本もの作品を手がけていますが、この分野ではB級映画専門の職人監督に徹しています。 オーケストラのチェロ奏者ニッコロ・ヴィヴァルディ君はイケメンだが影の薄い人物で、指揮者にもどうしても名前を覚えて貰えない。ヴィヴァルディなんて姓の音楽家ならインプレッションが普通の人よりありそうなものですが、名前の喪失というモチーフはこのストーリーの心理学的な背景になっている感じです。妻のラウラ・アントネッリも時々夫の名前を度忘れするし、終いにはニッコロ本人まで自分の名前を思い出せなくなる記憶喪失状態にまでいっちゃいます。アントネッリは『青い体験』でブレイクする前でこれが実質的に初主演みたいな感じですが、その見事な肢体には圧倒されてしまいます。この映画は俗にいうイタリア式艶笑ものとはちょっと違う路線のような気もしますが、だんだん変態地味てくる夫の要求に嫌々ながらも応じて露出癖に目覚めてくる、まあ当時のイタリア男性(というか全世界)の理想的な都合の良い女なんですが現在のフェミ界隈からは「女性を男性に都合の良いモノ扱いしている!」と怒られそうですがね。 ラストはニッコロ君は艶笑コメディではあり得ない悲惨な末路になってしまうのですが、まああんだけのこと仕出かしたんだからしょうがないよね。でもチェロのケースの凹凸にぴったりと収まるアントネッリの美ボディを拝めたんだから、損はないかな。 |
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