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東京の女 - S&Sさんのレビュー
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タイトル名 東京の女
レビュワー S&Sさん
点数 7点
投稿日時 2025-03-01 22:44:53
変更日時 2025-03-01 22:44:53
レビュー内容
サイレント時代の小津安二郎の小品、実は撮影スケジュールに穴が開いたのでやっつけ仕事でわずか9日間で撮り上げたという代物、とは言えその完成度の高さはさすが小津と言えます。岡田嘉子のたった二本しかない小津作品での主演作ですが、貫禄さえ感じる名演技は、今や彼女の出演映画を観るのが困難になっていることを考えると貴重です。この映画には、小品ながらいろいろと謎というか仕掛けが散りばめられているところが、興味深いと思います。エルンスト・シュワルツという人の『二十六時間』という小説だか芝居が原作となっていますが、このシュワルツなる人物は小津の別名、彼にはジェームズ槙なるペンネームもあるけどエルンスト・シュワルツというのは本作だけみたいです。もっともこの名前は脚本家としてのペンネームとは違うけどね、なんとも洒落た人だったみたいですね。謎となるのはやはり劇中でも耳打ちされるだけで観客には判らない姉=岡田嘉子のもう一つの秘密、考えればサイレント映画なので普通の会話芝居でも字幕にしなければいいだけなのにね。でもこの演出によって彼女が夜職よりもずっとヤバいことに関係していることが強調される良く考えられた演出です。やはりこれは昭和初期という時代を考えると共産党などの思想関係の活動だと解釈するのが妥当でしょう、小津が意識していたかは不明ですが岡田がその後にソ連に亡命したことを考えるとなんか意味深です。いくら戦前と言ってもOLが会社に内緒で夜職をしているぐらいで警察がわざわざ職場に調査に来るわけがない、やっぱ治安維持法がらみだと見たほうが自然です。この映画での田中絹代の行動はもうアホとしか言いようがない、まあいくら知り合いだったとはいっても警官の兄が妹の田中に捜査情報を漏らすというのも言語道断ですがね。田中絹代の軽率な行いが弟=江川宇礼雄を自殺に追い込んでしまった訳で、ラストでは岡田と田中の間で修羅場が繰り広げられるのかと思ったら、涙を流しながらも「このくらいのことで死ぬなんて、良ちゃんの弱虫…」という岡田のセリフにはなんか主義者の覚悟が見えたような気がしました。 ところで私にとってこの映画の最大の謎は、なんでこのストーリーが『東京の女』というタイトルになったのかということです(笑)。
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