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タイトル名 |
光る眼 |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2025-07-06 21:48:57 |
変更日時 |
2025-07-06 21:48:57 |
レビュー内容 |
オリジナル版は尺が80分弱という中編だけど、あの英国映画らしい独特な雰囲気が好きな作品です。ジョン・カーペンターは12歳の時に観てやはり感銘を受けたそうです。彼にとっては『遊星からの物体Ⅹ』に次ぐ50年代SFのリメイクとなりますが、本作は彼の発案ではなく純粋な雇われ監督だったみたいです。 観比べてみると、確かにオリジナルと展開やエピソードはほとんど一緒で、カーペンターが監督を引き受けるときに、これは簡単な仕事だと思ったというのは判る気がします。それでも加えられた展開もあり、いちばん大きい改変は“光る眼チルドレン”の中で一人だけ人間性の芽生えが起こって生きのびるというところでしょう。またオリジナル版では最後まで“光る眼チルドレン”が出現した理由付けが示されず曖昧のまま終わったのに対して、冒頭で怪しげな靄が町を包むし死産して保存されていた胎児の姿がまるでモンスターで、もろに地球外生命体からの侵略のイメージを観客に持たせるところで、ここら辺は何でも勢いで撮っちゃうカーペンターらしいところです。もっともあの胎児は、カースティ・アレイ演じる女医が胎児を取り上げるときに殺したと考えることもできますね。実はこの映画がクリストファー・リーブが乗馬事故前の最後の出演作で、それを知るとちょっと悲しくなります。ラストのクリストファー・リーブが“光る眼チルドレン”もろとも自爆して果てるのはオリジナル版と一緒ですが、オリジナル版のあまりにチャチな特撮と比べると気合いが入った大爆破で、これはカーペンターのフィルモグラフィ中でもっとも派手な爆破炎上シーンじゃないかと思います。 本作はラジー賞にノミネートされるなど概して評判が悪いのですが、自分にはそこまで酷評されるのが理解できないし、カーペンター映画の中でも腰を据えた撮り方だったと感じます。 |
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