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タイトル名 |
暗い日曜日 |
レビュワー |
ひと3さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2025-06-03 21:42:05 |
変更日時 |
2025-06-17 08:47:01 |
レビュー内容 |
途中まではルビッチ『生活の設計』のオドロキの肯定的な成り行きを彷彿とさせるような三角関係映画だが、ナチの話題となったところで『シンドラーのリスト』をネガティブに捉え直したものでもあろうことが判明する。収容所行きの見殺しシーンの理由が説明されないのをなんとなくナチの気まぐれな残酷さということで了解してしまいそうだが、あれは嫉妬なのである。憧れの女性の寵愛を受けている果報者に対する、愛されざる者(卑劣にも交換条件で同衾を手に入れるだけの)の嫉妬。この嫉妬という理解の点でもナチという「巨悪」の「凡庸さ」が説明されうる(ハンナ・アーレントふうに)、つまりナチだけのことではなく、誰のものでもある普遍的な問題であるというように。そんな嫉妬を生むくらいの魅力である、エリカ・マロジャーンというこの女優さん。たくさんの名画に出ていそうだが検索した範囲では意外にそうではないようだ。 |
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