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タイトル名 |
海にかかる霧 |
レビュワー |
たきたてさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2025-06-13 02:58:30 |
変更日時 |
2025-06-13 02:58:30 |
レビュー内容 |
まったく予備知識なしでの鑑賞。 なんとなく社会派サスペンスなのかと思っていましたが、ゴリゴリのシチュエーションスリラーじゃないですか。 しかも全員もとは『普通の人』だったのが恐ろしい。 歯車が狂っただけで、同じ釜で飯を食う仲間同士で殺しあうことになるなんて。 これはほとんどホラー映画。人間の性(サガ)と狂気を描かせたら韓国映画の右に出るものはいませんね。 ストーリーは単純。 不況と不漁にあえぐ漁村。 船と船員の生活を守るため、カン船長は密入国という犯罪に手を出してしまいます。 予定通り海上で密航者を受け入れます。船の上で、密航者たちの不満から多少のもめごとが起きますが、カン船長が力づくでねじふせます。 そこへ巡視船が。見つかると捕まってしまいます。密航者たちはいったん魚艙のなかへ。 巡視船が去ったあと、密航者たちを外に出します。あれ?様子がおかしい・・・。誰も返事をしない。ぴくりとも動かない。 密航者たちは、魚艙の中で全員死んでいました。原因は冷凍庫の故障により漏れ出したガスによる窒息死か中毒死。 ここから物語は大きく動き出します。 こっから先はずっとホラーです。 覚悟を決めたカン船長も恐ろしいのですが、完全にモラルを失ったチャンウクと、もともとモラルの無いギョングが個人的に恐ろしかったですね。特にチャンウク。チャンウクがギョングを殺してしまったときに、『ああ、この人たちは密航者をばらばらにして海に捨てたときに、人としてのタガが外れてしまったのだな・・・。』と感じました。 この人たちも、元はただの漁師だったことを考えると、恐ろしさを通り超えてやりきれない気持ちに。 ドンシクとホンメだけでも助かったことは、希望の残る終わり方でしたが・・。 最後のオチは切なかったですね。 ドンシクは失うものばかりで、結局ホンメとは結ばれず。 ラストに女性の顔を映さなかったのはナイスです。 オチのつけ方もうまいですよね、韓国映画は。 序盤がどうしても退屈だったのと、好みの面からやや減点。 |
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