みんなのシネマレビュー
穴(1960) - tottokoさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング


◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

スポンサーリンク
タイトル名 穴(1960)
レビュワー tottokoさん
点数 10点
投稿日時 2019-11-02 15:20:56
変更日時 2020-04-25 17:10:21
レビュー内容
なんとかっこ良い映画だろう。一コマ一コマに無駄が無く寡黙にきびきび人物紹介を済ませ、隙の無い脱獄計画を行う。モノクロが映えるパリの巨大地下空間の画も圧倒的。縦横無限につながる通路、トンネルに吸い込まれ小さくなってゆく灯り。地図が作成不可と言われるほどの巨大な異空間が舞台装置として満点。
そしてつくづくと「脱獄に必要なのは根気と丁寧さ」を思い知らされる長ーい固定カメラ。コンクリの壁を破る、鉄柵をヤスリで切る。ひとつひとつの作業をじっと見守るかのように画を動かさない。この我慢強いことは他の脱獄モノの追随を許さない。
ことごとく「しっかり描き切る」んですよね。差し入れの品を検品する場面も然り、散った土砂を刷毛できれいに清める場面然り。外した扉をはめ直す時はがしゃん、と心棒がはまるまでちゃんとやる。熱量の高い描写に、絡め取られるように酔ってしまいそう。
隣の房から反対側の房へと物品を受け渡しする、あそこも鮮やかだったなあ。
各キャラクターの性格も五人それぞれが見事に描き分けられており、だからこそ観てる者はラストにやられてしまうのですね。誰に、ってガスパールに。リーダーのマチュー、ねえやっぱり新人は引き入れるべきではなかったのだよ。完璧に進んでいた脱獄計画。ただ一つの穴が新入りの彼だった。でも、四人の仲間も我々も「ガスパールを入れてやれよ」って思ってたんだ。あの衝撃のラストまでは。
ガスパールは見るからに誠実な好青年。差し入れられた食料も気前良く皆と分かち合い、育ちの良さが滲み出る。
だけど、観客はラストシーンを経てから思い至る。そんなに良い奴だったか?と。相続した財産を使い果たした後は金持ち女のヒモになり、あげく義妹に手を出す奴。痴話げんかの末に刑務所行き。ふと頭をよぎるは所長と面談した時の金のライター。エンドロールを観ながらワタシは叫んでしまった。あああれは袖の下だったのか・・。しょてから抜かりなく権力に取り入ってたなんて。ラストで冒頭の伏線を回収するなんて・・!
脚本も画も役者もなにもかもが凄い。半世紀以上も前にフレンチノワールは完成しているのだなあ。
tottoko さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-06-10フレンチ・コネクション286.50点
2025-06-07NOPE/ノープ66.13点
2025-06-02ストーリー・オブ・ラブ76.32点
2025-05-29推定無罪65.66点
2025-05-27奇跡の海76.38点
2025-05-24教皇選挙87.25点
2025-05-12スイング・ステート76.50点
2025-05-11殿、利息でござる!66.50点
2025-04-30タイム・アフター・タイム67.04点
2025-04-28ロストボーイ54.72点
穴(1960)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS