みんなのシネマレビュー
泣く子はいねぇが - かっぱ堰さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 泣く子はいねぇが
レビュワー かっぱ堰さん
点数 8点
投稿日時 2023-09-30 10:51:07
変更日時 2023-09-30 10:51:07
レビュー内容
秋田色の濃い映画である。海浜景観に日本海沿岸の風情があり、秋田名物ババヘラアイスも出たのは感動した。地方ではあるがみな現代に生きる日本人であり、必要以上に田舎臭く見せることもないのは秋田出身の監督として当然といえる。
男鹿の「なまはげ」に関して、劇中では「なまはげ保存会→存続の会」会長の男が全体を一人で引っ張っている印象だったが、実際は多数の集落単位で個別に行ってきたものらしい。もともと地元の青年団のような人々がやっていたのだろうから多少の不祥事があっても変でなさそうだと思うが、現実に2007年末の悪質な事件が全国に知れ渡ってしまったことがあり、この映画もそのことが発想の原点にあったかと思われる。行く先々で酒を注がれて飲まねば済まない地域社会の縛りの中で、主人公のような腑抜けが個人的方針を通すのが難しいのは間違いない。

帰郷した主人公を直接責める者はあまりいなかったが、あからさまに攻撃して来たのが会長の男であって、これは主人公のせいというより会長自体の人間性による。「わがんねんだよおめだぢが」と言っていたがわかる能力がないのであって、自分の決めた枠に人間をはめ込む以外の観念がなく、枠から外れた者には容赦なく憎悪を叩きつける。本人は善意と信じているので手に負えず、指導力があると思われて持ち上げられるのでどこまでもリーダー然としつづける。個人的には最悪と思うがこれも人間なのでどうしようもない。
一方の主人公は極めて善良な男だが、眼前の問題にまともに向きあえない人間だったようで、今になって向き合うにしても普通人のレベルとの差が開きすぎている。保育園での姿などはあまりに見苦しく、おめあど死んだ方いいんでねが(…秋田方言になっているか不明)と言いたくなったが、現に生きている人間が簡単に死ねるわけもないのでどうしようもない。序盤に出た「シロクマ効果」との関係でいえば、最後の出来事を経て心が入れ替わる可能性も表現されていたかも知れないが、安易に希望を語る気にもならなかった。
解説によると「父性」がテーマだそうだが主人公があまりに不甲斐なく、とても父性を語る域に達してないようで素直に受け取れないが、しかしそういう感想自体が劇中会長に近いかと思うと何ともいえなくなる。自分としては会長よりは主人公に近い側と感じたのは間違いない…というよりかなり近いかも知れない。結果的に自省させられた映画だった。

ほか周辺人物に関して、「運動会」ビデオを見た兄の発言は不明瞭だが孫を見せたかったと言っていたのか。事件のせいで兄が結婚の機会を逃したとすれば、いわば会長と並ぶ直接の被害者だったことになる。また親友も主人公の任務懈怠のせいで破滅したとすれば被害者だろうが、悪友ながらも最後まで主人公の味方だったらしい。社会にはこういう奴もちゃんといるということで、自分が神様の会長などとは大違いだった。
出演者について、吉岡里帆は個人的に最近見ていなかったが、こういう顔をしてみせる人だったかと改めて思った(顔自体はどんぎつねと同じだろうが)。また序盤だけだったが古川琴音という人も目を引いた。仲野太賀には引き続き期待する。
かっぱ堰 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-25ゴジラ-1.067.25点
怪獣王ゴジラ43.75点
2024-05-04アナベル あいのきずな55.00点
2024-05-04ブラッディ・ホステージ55.00点
2024-04-20オクス駅お化け54.66点
2024-04-20オンマ/呪縛65.50点
2024-04-13リゾートバイト66.20点
2024-04-13“それ”がいる森43.44点
2024-04-13事故物件 恐い間取り63.56点
2024-04-06モロッコ、彼女たちの朝55.00点
泣く子はいねぇがのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS