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タイトル名 |
ブリーディング・ラブ はじまりの旅 |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2025-06-29 11:01:12 |
変更日時 |
2025-07-04 11:02:26 |
レビュー内容 |
離婚をきっかけに長年疎遠となっていた娘を地元へと連れ帰ることになった父親。目的地であるニューメキシコははるか遠く、父が運転する車でこれから丸2日かけてドライブを続けなければならない。車内にはこの親子2人だけ、何処か重苦しい空気が漂っている。どうやら娘は何か問題を起こし、精神的に不安定なようだ。しかも過去の因縁から父親を敵視している。ちょっと目を離したすきに逃げ出すほどで、父親は気が気じゃない。今は新しい家庭を築きながらそれでも誠心誠意、娘と向き合おうとする父親。そんな父に反発しながらも、それでも久しぶりに会えたことがやはり嬉しい気持ちも隠せない娘。果たして親子は無事にニューメキシコに辿り着くことは出来るのか?そんな理由ありな親子を演じるのは、私生活でも実際に父親であるハリウッド俳優ユアン・マクレガーと娘のクララ・マクレガー。この親子、父の離婚が原因で私生活でも実際に仲違いしていたそうです。そんな様々な問題を抱えた親子を実際に様々な問題を抱えた俳優親子が演じるというのはどんな気持ちなんでしょうかね。2人が中盤、激しく罵り合うシーンなんてあまりに生々しくて見てるのが辛いほど。それをセンスあふれる映像や音楽で良い感じにオブラートに包んでいたのは、ナイスな演出だったんじゃないでしょうか。要所要所で子供の頃の2人の映像を差し挟んでくるのも、多少あざとさを感じるとは言え、やはり切なくなる。監督、なかなか良い仕事してる。旅の途中で出会う地元の人々も皆、個性豊かでそれぞれに忘れがたい印象を残してくれます。特におしっこしてるときにあそこを虫か何かに噛まれた娘の患部を確認してくれる売春婦のおねーさん。「大丈夫、下着を脱がすのは慣れてるわ」とか言いながら娘のあそこを確認してくれる彼女の存在は大変キュート。将来ブロードウェイで舞台に立つことが夢だと語りながら、でっかいかぼちゃを抱えて立ち去る彼女の後姿は哀愁とほろ苦いユーモアを感じさせてくてなんとも魅力的。彼女に出会えただけでもこの映画を観て良かったと思えました。まぁお話としては何のひねりもないオーソドックスな親子もので、本人たちによる思い出再現ムービーの域を出ていないような印象も拭えなかったですが、観終わったあとほっこりとした気分になれるロードムービーの佳品であったと思います。 |
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