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タイトル名 |
ブラック・クランズマン |
レビュワー |
墨石亜乱さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2021-03-12 00:02:05 |
変更日時 |
2021-03-12 00:04:48 |
レビュー内容 |
米・コロラド州コロラドスプリングスで、初の黒人市警察巡査となった人物の自伝を映画化した作品。 未だに各国が脱却できない《他民族への偏見と攻撃性=ここでは黒人差別》を描いた社会派のポリスサスペンス映画。 監督は、もうこれ以上の適任者はないというスパイク・リー(「マルコムX」など)。 ☆ 白人至上主義団体 “KKK” に潜入捜査を試みる黒人刑事を『TENET』で主人公(“名もなき男”)を演じたジョン・デヴィッド・ワシントン。 彼が、白人・黒人のどちらにも傾倒しない刑事を時にユーモラスに演じていて、実話でありながら『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィー的スーパー刑事にも見えたりする(←個人的にだが)人物をうまく表現している。 彼と《二人で一人の囮捜査》を行う相棒刑事をアダム・ドライバー。いつもながらの大味で飄々とした演技が、ここでは活きていて、ひと味ちがう異色のバディ物として見ても面白い出来。 もちろん、ブラックムービーらしい演出もされている。 ☆ 物語の展開はエンタメとしても出来が良く、一見フィクションかと思えるほど。それで薄まった黒人差別テーマを本編後の挿入映像で担保したように感じた。 尚、カンヌ映画祭では10分間ものスタンディングオベーションを受け、審査員特別グランプリに輝いている。 同テーマの作品に『スリー・ビルボード』があるが、それほど重くない映画で、自滅するKKKメンバー以外の「死」は描かれない。 それはこの映画のスタンスで、『革命』は「受けた非道に対する報復では無い」というメッセージだろう。暴力(力)による報復の連鎖(マウントの取り合い)こそが『差別の根源』に他ならないと。 ☆ 観てよかったと思える映画だった。 |
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