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タイトル名 |
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2025-05-11 13:37:21 |
変更日時 |
2025-05-11 13:37:43 |
レビュー内容 |
【Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb】《ストレンジラブ博士。または:いかにして悩むのを止めるよう学ぶか、そして核爆弾を愛するか》人名のloveと愛するLoveが韻を踏んでますね。だからかどうか、邦題も《異常な愛情》って"じょう"を重ねて韻を踏んでます。 《または》は、前後二つのタイトルに掛かっているんだと思います。《寅さん。または:男はつらいよ》みたいな。…どうだろ?
キューバ危機('62年10月)の翌年に、こんな笑えない状況のブラックユーモアを創るキューブリックのセンスが素晴らしい。 核弾頭に跨ってカウボーイハットを振り回す少佐は、コミカルだけど観ていてゾッとしてしまう。一方でリッパー准将の空軍基地を攻撃する州軍の描写はまるでドキュメント映像を観ているようにリアル。このリアリティとコミカルさのバランスがとても絶妙。 リッパー准将の"共産主義者によって汚染された水道水"の話。こんな陰謀論って、どの時代にも存在するんですね。ディープ・ステート。コロナワクチン。電磁波。5G。…内容を変えて今の時代でも広まっています。ちょっと責任ある立場の人が、そんな陰謀論を信じてしまったら…
人類は地球を壊滅させるだけの核兵器を創り出してしまった。そして創られたからには、ほぼ例外なく使われる。だったらもう、開き直って核戦争後の未来を考えようじゃないか。とも取れるメッセージ。 そこで提案される案は、政府高官と軍人、コンピューターが選んだ優秀な男女を、男1:10女の割合で、100年間に渡り地下坑道で暮らさせる。 ストレンジラブ博士の提案。先の大戦で敵と見なした、ナチスの選民思想と変わらない案に納得する、現代アメリカの政府高官たち。 100年後、ソ連の核兵器に負けないかを心配する将軍。この場に及んでスパイカメラで基地内を撮影するソ連大使。 アメリカ大統領も元ナチの博士も同じピーター・セラーズが演じてるのもミソでしょうね。 で、結局この戦争、誰が勝ったことになるの? |
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