みんなのシネマレビュー
コラテラル - やましんの巻さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 コラテラル
レビュワー やましんの巻さん
点数 10点
投稿日時 2004-12-03 14:39:04
変更日時 2004-12-10 18:51:43
レビュー内容
マイケル・マンという監督は、常に“反社会的な者たち(アウトサイダー)”を描く。そして、その生きざま(や、死にざま)を、ひたすら〈崇高〉なものとして描き出すのだ。彼らはみな、社会に、運命に立ち向かい、反逆し続ける。その姿(というか、魂)は、英国の思想家エドモンド・バーグが言う〈崇高さ〉そのものだ。

「我々が崇高を感得するのは暗い森林や寂しき荒野、ライオンや虎や豹や犀などの姿においてである、(中略)それが解き放たれていて人間を無視していることの強調によって、少なからぬ崇高な姿に盛り立てられているが、そうでなければこの種の動物の描写は何一つ高貴な要素をそなえぬであろう」(中野好之訳)

…しかし、トム・クルーズ扮する殺し屋を主人公のひとりとする本作は、いかにもマイケル・マンらしいようで、これまでの作品とはどこか異質な印象を与える。それは、常に脚本にもクレジットされていた彼の名前がここにはないことからくるのか。あるいは、120分という彼の映画では(『ザ・キープ』を除いて)最も短い上映時間によるのか。デジタル・カメラによる奇妙なほど奥行きと陰影を欠いた映像によるものなのか。

…そう、まるでスコセッシの『アフターアワーズ』や『ヒッチャー』にも似たこの悪夢めく「不条理劇」は、むしろ製作者のひとり『エルム街の悪夢3/惨劇の館』の監督チャック・ラッセル(同じく製作に名を連ねるフランク・ダラボンも、あの映画の脚本家だった…。このご両人、どんな仲?)あたりこそがふさわしい。その意味において、マンは単なる「御用監督」でしかないのだろうか? …

しかし映画の中で、ロス市内の道路を2頭の野性のコヨーテが悠然と横切った瞬間、ぼくたちは確信するのだ。あのコヨーテたちこそ「解き放たれて人間を無視している」ことで孤高を生きる、マイケル・マン的存在に他ならないことを。そして、殺し屋とタクシー運転手もまた、その瞬間から夜のLAという「荒野」を生き、死んでいく者たちとして「解き放たれ」る。まさしく「ライオンや虎や豹や犀」のように生き始めるのだ。だからこそラストの、よく生き、よく死んだ両者の姿は、かくも〈崇高〉で、ただただ美しい。
やましんの巻 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-05-18ワンダーウーマン 1984105.92点
ワンダーウーマン106.52点
2016-03-29アメリカン・スナイパー106.94点
2014-10-29マネーボール106.86点
2014-10-28ホワイトハウス・ダウン106.58点
2014-10-22カウボーイ&エイリアン74.74点
2014-04-05ラッシュ/プライドと友情107.45点
2014-04-02ゼロ・グラビティ67.63点
2013-11-22ペコロスの母に会いに行く106.76点
2013-11-20三姉妹~雲南の子107.75点
コラテラルのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS