|
タイトル名 |
父、帰る |
レビュワー |
キュウリと蜂蜜さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-09-22 22:46:55 |
変更日時 |
2010-09-22 22:46:55 |
レビュー内容 |
この映画を「夫、帰る」としても見ました。主人公のお母さんが、テラスで煙草を吸っているときの無表情。寝室に入るときの表情、決意なのか躊躇なのか。兄弟の寝室を見に来るときの表情。お母さんはお父さんの事を、夫としては無責任と感じていたと思うし、許せなさがあったと思います。不安もあったと思う。でも、もし子供達の良き父親となってくれるなら、受け入れようとしていたのではないでしょうか。子供たちもそうで、お父さんに不安を覚えながらも、親子の関係になりたいと思っていた気がします。問題なのは、唯一お父さんだけが、今回の帰省を、与えられた『チャンス』と思っていなかったことだと思う。本当は子供達に愛情を与えたり、少なくとも示したりしないといけなかったんです。そうやって信頼を築くことが大切だったんです。でもお父さんの側には、父として子供達から尊敬されたい、自分の言うことを聞かせたいという自分の思いが強くて、そればっかりを出してしまう。車にあった写真でお父さんの愛の片鱗を見るけれど、お兄ちゃんの「しまえ」という言葉が印象的でした。お兄ちゃんはその片鱗も認めたくないのかもしれない。興味深い映画でした。 |
|
キュウリと蜂蜜 さんの 最近のクチコミ・感想
父、帰るのレビュー一覧を見る
|