みんなのシネマレビュー
脱走四万キロ - やましんの巻さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 脱走四万キロ
レビュワー やましんの巻さん
点数 9点
投稿日時 2004-11-20 15:58:23
変更日時 2004-11-22 10:48:27
レビュー内容
ロイ(・ウォード)・ベイカー監督と言えば、ジェームズ・キャメロンの『タイタニック』でもかなり“参照”されたとおぼしい『SOSタイタニック』や、あるいはハマー・フィルムのドラキュラ映画でご存知の方も多い(?)のでは。実を言うと、ある時期まで(いや、実は今なお)このベイカー監督の名前は、ぼくにとって、例えば同じイギリスのデヴィッド・リーンなんかよりもずっと“偉大(!)”だったんである…

この監督の映画は、「ドキュメンタリー的」な面と「ドラマ性」とが融合し、時には対立しながら、あるひとつの濃密な“劇的空間”を画面に構築していく。そして題材やストーリーによって、「ドキュメンタリー的」な要素が勝ったり「ドラマ性」が大きくなったりする、そのバランス感覚においても傑出してたんだと思う(…後年、ハマーのゲテ物ホラー映画を撮る頃には、そういったバランスなどほとんど“放棄”しているかのようだったが…)。

例えば、この『脱走四万キロ』だ。イギリス映画でありながら実在したドイツ軍パイロットを主人公とし、しかもまんまとイギリス軍の収容所から脱走するまでの顛末を描くという本作。冒頭の空中戦から、主人公が不時着して捕虜となるまでのくだりにおいて、実写フィルムを巧みに織りまぜながら見る者を一挙に「ドラマ」へと引っ張り込んでいく。その後は、何回も脱走を繰り返すパイロットの“一人舞台”となるのだけれど、特に後半、厳冬のカナダの収容所に送られた彼が、雪の平原や森、凍った河を逃亡する描写は、ひたすらロングに引いた苛酷な自然の中にポツンと映る主人公の姿を延々と追うだけでありながら(ほとんどセリフすらない)、本当に血沸き肉躍る、いっときも眼が離せない、スリリングな冒険譚になっているんである! …昨今の大げさな設定やらCGによるド派手な映像やらがなくても、この地味なモノクロ映画は、主人公の置かれた“状況”をキャメラで捉えるだけで、かくも濃密な「ドラマ」が描きうることを教えてくれる(そんなベイカー監督の才能が遺憾なく発揮されたのが、本作の翌年に作られた『SOSタイタニック』に他ならないだろう)。何も「ドキュメンタル」な撮り方だから良いんじゃない、その“状況”の描写力において傑出しているからこそ、素晴らしいのだった。

この監督をきちんと再評価してくれる評論家センセイ、誰かおられませんかねぇ…
やましんの巻 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-05-18ワンダーウーマン 1984105.92点
ワンダーウーマン106.52点
2016-03-29アメリカン・スナイパー106.94点
2014-10-29マネーボール106.86点
2014-10-28ホワイトハウス・ダウン106.58点
2014-10-22カウボーイ&エイリアン74.74点
2014-04-05ラッシュ/プライドと友情107.45点
2014-04-02ゼロ・グラビティ67.63点
2013-11-22ペコロスの母に会いに行く106.76点
2013-11-20三姉妹~雲南の子107.75点
脱走四万キロのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS