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ミリオンダラー・ベイビー - kikaさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ミリオンダラー・ベイビー
レビュワー kikaさん
点数 10点
投稿日時 2009-10-11 18:01:42
変更日時 2009-10-11 18:01:42
レビュー内容
厳選された台詞と場面。余計なものも足りないものもない、映画として完全です。

「骨にまで達する傷の、出血を止めることはできない」

◆ヒラリー・スワンクについて
マギーという役は、役者にとってかなり面白い役なのではないでしょうか。
もっとひねりを効かせて前に出ることも出来たでしょうに、スワンクは最もシンプルな形でマギーを演じているように思います。
それがマギーのファンタジー性を高めている。
なぜボクシングを始めることになったのか?フランキーがマネージメントするまではどうやって前座試合を取ってきたのか?ボクサー人生の背景がまったく語られないマギー。しかも遅咲きの彼女の圧倒的な強さは、才能とか努力だとかだけでは説明がつかないほどのものです。
画面に一度も登場しないフランキーの娘、ケイティはおそらくマギーと同年代。
マギーは償いを求めるフランキーの前に現れた天使のようにも見えます。
◆モーガン・フリーマンについて
元カットマンのフランキーと元ボクサーのスクラップ。現在では立場が逆になり、スクラップがフランキーの女房役となっています。マギーに対しても、父親役がフランキーなら、ジムを守り、見てないようでちゃんと見てる母親役がスクラップ。
フランキーの理解者、代弁者として、近作で一番の熱演だと思います。
「俺はトレーナーじゃないが・・・」
往年の名ボクサーでありながら、なぜかトレーナーではなく雑用係としてジムにいるスクラップ。
彼にとってトレーナーとして後続を育てることは、リングを降りることを意味するのかもしれない。
片目を失い、老境に達しつつも、彼はあくまでもボクサー。

◆クリント・イーストウッドについて
監督イーストウッドが作品をがっちり捕らえているのに対して、役者イーストウッドはまずフリーマン、スワンクありきで、流れのままにフランキーを演じているような気がする。
今までのイーストウッドにはあり得ないくらいエモーショナルな演技。

「どうしたらいいのかわからない」
フランキーは常に、どうしたらいいのかわからない。
教会へ足は運んでも、真剣に祈りをささげることはできない。
実の娘ケイティに宛てた手紙が戻ってきてしまうなら、他のアプローチもあったはず。でもしない。
努力しているふりで、実は全てを先送りにしていたフランキー。マギーに出会うまでは。
kika さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2010-11-07エターナル・サンシャイン96.60点
2009-10-12クローサー(2004)85.60点
2009-10-11ミリオンダラー・ベイビー106.91点
2008-10-05ニューヨークの恋人(2001)76.26点
2008-10-05ノー・マンズ・ランド(2001)87.32点
2008-10-05タイタニック(1997)36.73点
2008-10-05親切なクムジャさん45.71点
2008-10-05子猫をお願い86.86点
2008-10-05皇帝ペンギン45.98点
2008-10-05アルフィー(2004)45.66点
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