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タイトル名 |
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか |
レビュワー |
すかあふえいすさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2014-01-31 10:34:30 |
変更日時 |
2015-12-07 19:42:23 |
レビュー内容 |
当時の冷戦に右往左往する人間を皮肉ったブラック・コメディの傑作。 原爆や水爆を狂信的に作る「博士の異常な愛情」が時代を後押しする。
物語はミサイル攻撃を巡ってそれを阻止する者、実行する者の対立をシリアスかつコミカルに描く。 生きるか死ぬかの瀬戸際にコカコーラからのクレームを気にするような人間ばっかりだ。
いざ戦争になれば秩序も道徳も崩壊する。 会議場に集まる高官どもに、外で戦う人間の苦しみなんざ解るわけがない。 気にかけるだけで労いの言葉一つ送れない。 隅々まで届かない命令に何の意味も無い。
そんな人間が人々の上に立てばどうなるか? 無意味な実験や虐殺だけが繰り返されていくだけなのさ。
ラストシーンもまた印象深い。 敵の本拠を目の前にして投下装置が故障。 それを命懸けで外しに行き、爆弾もろとも基地にダイブしていくパイロット。 その時のソイツの顔は、黒い笑みで歪んでいた。 戦争の狂気がとり憑いた結果だ。
それを人々はどう思うのか? 英雄として見るか? 戦争を引き起こした愚か者と見るか?
答えは戦争を勝ち抜いた勝者か、後世に生き残った民衆のみぞ知る所だ。 |
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