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タイトル名 |
カッコーの巣の上で |
レビュワー |
Cinecdockeさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2018-05-21 20:57:29 |
変更日時 |
2018-05-21 20:57:29 |
レビュー内容 |
精神病に対する偏見やタブーが蔓延っているだけに、当時の成人向けの理由が分かった気がする。人間らしさと尊厳のために権力に楯突くアウトローの話のように見えて、そういう単純な綺麗事ではこの問題は解決しない。一見冷酷で合理的なシステムだとしても結果的に快方に向かうように作られ、一人ひとり聖人君子のように情を持って接していては体制側の精神が壊れてしまう。そんな"異常"な世界において、逃げるならさっさと逃げればよいのに、そこに留まってしまうのは仲間たちに情を持ってしまったからなのか、それとも自分も彼らと同等で外に出ることが恐ろしいと悟ってしまったからなのか。情がある故に最悪な結果に向かってしまうが、マクマーフィーの遺志を胸に未知の世界に踏み出すチーフに悲劇ながらも力強い希望が感じられる。マクマーフィーもラチェット婦長もどちらも正しくて極端だろう。だが、双方の精神を含有した社会で誰かに委ねて生きていては、自ら尊厳を捨てることと同じだ。 |
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