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ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説 - よしのぶさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説
レビュワー よしのぶさん
点数 6点
投稿日時 2014-09-18 01:07:43
変更日時 2014-09-18 01:07:43
レビュー内容
日本各地に残る浦島伝説、羽衣伝説、竹取伝説を下敷きにして、宇宙人と怪獣を登場させ、自然破壊や公害等で地球を毀損する現代人に警鐘を鳴らす内容である。宇宙人が、日本の原人ともいうべき海人族を導き、宇宙人が遮光器土偶やかぐや姫や羽衣天女の雛型となったという設置。宇宙人は、現代人の遺跡破壊や行き過ぎたリゾート開発に瞋り、怪獣を使って破壊行動を行った後、海人族の末裔を伴い宇宙船で地球を脱出した。宇宙船は「ノアの方舟」で、行く先は「常世の国」の理想郷だ。内容から、観客が宇宙船に乗った人々を羨ましいと思わなければ成功とはいえないだろう。実際は、全く羨ましさを感じなかった。宇宙人は、意に染まない人間を抹殺する酷薄な殺人鬼に過ぎないし、海人族は能面のように不気味で生彩がなく、人間らしさに欠けている。自然を心から愛し、仁徳に優れ、善行をなす、理想的な人間として描けば印象は違っただろう。慈悲深い宗教指導者のような描き方でも共感できただろう。宇宙人も海人も薄気味悪いので同調できないのだ。目玉であるべき肝腎の怪獣が添え物扱いでは、ウルトラQの名前が泣く。ウルトラQ・シリーズは、怪獣番組の嚆矢で、怪獣を魅せることで爆発的人気を獲得し、次のウルトラマン・シリーズに繋がった。本作品で、怪獣の出番はほんの顔見世程度でしかなく、民家を少し破壊して早々に退出する。登場する必然性も希薄で、天変地異でも代替え可能だ。又、怪獣の造詣に魅力が無いことも申し添えておく。怪獣に対する愛情、思い入れが足りないのは明らか。「怪獣を中心に据えた物語」という基本概念を尊重すべきだった。宇宙人の造詣もお粗末だ。遮光器土偶は宇宙服に似ているという発想から、宇宙人の姿を遮光器土偶そのものとし、もう一つの金属質の形態も、取り立てて見映のするものではない。最後まで、彼女の真意や苦悩は伝わらなかった。目指しているもの、理想としている姿が不得要領なのだ。地球を捨てれば解決ということでもあるまい。独特の角度、構図、移動撮影、照明等の凝った演出が堪能できるのが、この映画最大の佳処だ。建物をゆがめたり、構図を奇妙な形に切り取ったり、隠微で乾いた雰囲気を出す演出が達者なのだ。竹取物語の輝く竹にちなんで、竹林の地中から照明を放射する映像は脳裏に焼き付いている。ただ斬新だった演出手法も、今となっては尋常一様のものでしかなく、これは前衛芸術の宿命だ。
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投稿日付邦題コメント平均点
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2015-02-16死霊の盆踊り30.76点
2015-02-11ゼロ・グラビティ97.63点
2015-02-09パシフィック・リム106.88点
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2015-02-0717歳のカルテ76.99点
2015-02-07噂の女77.30点
2015-02-06華麗なる激情76.00点
2015-02-06影の車67.00点
2015-02-05第9地区87.07点
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