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タイトル名 |
ミュンヘン |
レビュワー |
花守湖さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-08-31 21:41:47 |
変更日時 |
2006-09-05 18:37:47 |
レビュー内容 |
これが「バカの壁」と言うのでしょう。ユダヤ人のアヴナーとパレスチナ人の青年は、お互い自分の言い分を出張するがその情報は相手の脳に遮断されて決して届くことは無い。まさに馬の耳に念仏。両国はこれからもメビウスの輪のようにエンドレスに分かり合えることがないと考えると暗澹とした気持ちにさせられます。「話せば分かる」という言葉すら暴力の前では通じることも無い。問答無用といって憎き相手に復讐をするのみ。そして暗殺したものは暗殺された仲間たちからまた恨みを買って次は自分が追われる番となる。暴力の連鎖は何も生み出しはせずにさらなる暴力を誘発する。例えばマルコムXが黒人差別に立ち向かうために暴力に訴えかけたところで、けっきょく彼もその暴力の波にのまれてしまう運命であった、、同じように暗殺請け負い人アヴナーが暗殺の標的にされて怯える姿は、映画マルコムXの晩年の姿と重なるものがありました。だからといってキング牧師のように非暴力で立ち向かえというメッセージがこの映画にあるとは思えない。ただひたすら永遠に分かり合えない両者が存在するのみ。 |
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