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旅するジーンズと16歳の夏 - たきたてさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 旅するジーンズと16歳の夏
レビュワー たきたてさん
点数 7点
投稿日時 2017-05-28 12:11:26
変更日時 2017-05-28 12:13:44
レビュー内容
 オムニバス形式に近い構成のドラマですね。
 4人のエピソードはそれぞれに独立していて、直接交じり合うことはありません。
 ジーンズに添えられた手紙を通して、お互いの話を聞き、共感し、時には背中を押してあげます。ただそれだけ。
 それは現実世界にはわりとよくある話。それに、4人のドラマが交錯することがない以上、シナリオとしての面白さはありません。
 また、映画としてスケールが大きいわけでもありません。
 はっきり言って、『なぜわざわざこんなものを映像化するの?』という内容です。
 ですが、なぜか目が離せません。
 こんな地味なエピソードの羅列に、ずっと興味をそそられっぱなしです。不思議なものです。
 リアルを感じさせるストーリーというのは、ともすれば『退屈』と紙一重。本作は主人公一人一人が『よくあるプロット』の中、真剣に考え、悩み、行動し、それぞれの答えを探り当てていくので、そこに深い共感を覚えるのかもしれません。また、4人の友情は本物で、こそばゆくもあるのですが、見ていて気持ちが良いんです。
 ティビーのエピソードは『病気で死ぬ少女』をだしに涙をさそうあざといものです。ですが少女と接するティビーの姿が非常に良くて、素直に感動します。
 カルメンの『父親とその新しい家族』に対して思いをぶつけるエピソードも良い。『ドレスの試着でキレるシーン』『父親への電話シーン』など涙をさそうのですが、何といっても『石を窓にぶつけるシーン』、これが素晴らしい。自分を探しているのかと思ったら、自分のことなんかそっちのけで家族団らん楽しむファミリー。言葉ではなく映像で、カルメンの心の傷が手にとるようにわかってしまうのです。
 ストーリーとして面白いのはこの二人でしょう。
 リーナとブリジットのエピソードは第三者が見て面白いものとは言い難いです。
 ですがリーナを演じるアレクシス・ブレデルが驚異的な可愛さ。ストーリーなんかどうでもよくなります。
 ちょっと評価が難しいですが、主役の4人がそれぞれ良い個性を出しながら、その友情も見せてくれるので多分良作。
 ただ映画として突出した部分がないのも確かなので、見る人によっては凡作かそれ以下になるのも致し方ないでしょう。
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