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ブロークバック・マウンテン - delft-Qさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ブロークバック・マウンテン
レビュワー delft-Qさん
点数 6点
投稿日時 2006-04-02 20:42:54
変更日時 2006-04-02 20:56:36
レビュー内容
観終えての第一感想は、「期待したほどではなかった」でした。アカデミー賞を独占するのではとまで下馬評は高まっていましたが、そうはならなかったのは、テーマがどうとかより、単純に作品としてそれほどでもなかったという1点に尽きるのでは、と思います。
  同性愛が描かれた作品ですが、私には同性愛はテーマというより、テーマをより浮き立たせるためのお膳立てぐらいにしか感じられませんでした。テーマ(らしきもの)は、「理想と現実」みたいなところではないかと。どなたかが書いておられますが、私も見ている最中、『青い珊瑚礁』を思い出していました。
  2人だけのシャングリラを追い求めたいのに、現実はそれを許してくれない。その相克をどう生きるのか――そんな構図が終始提示されていたように思います。そうした悩みは、誰しも大なり小なり抱えていることでしょう。趣味で生きたいが趣味では食っていけない、ほんとうに愛する人がいるけれど家庭があるからままならない、などなど。にもかかわらず、さほど心を揺さぶられなかったのは、脚本の弱さに起因する気がします。
  “初夜”を迎えるシーンは、お互い“初めて”なのに、“うまく”運びすぎて不自然とか(笑)、理想と現実の相克が描かれてはいるのだけれど、イマイチ身を切られるような思いまでは伝わってこないとか。そして私が脚本的にもっとも抵抗を覚えたのは、ジャックを殺した点。これは、禁じ手ではないでしょうか。ストーリーの紡ぎように困窮して、やってしまったという印象さえありました。ということで、話題になったわりには平凡な作品だったというのが率直な感想で、6点也です。
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