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マッチポイント - にじばぶさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 マッチポイント
レビュワー にじばぶさん
点数 7点
投稿日時 2009-01-05 01:29:08
変更日時 2021-08-07 22:57:05
レビュー内容
「人生は運だ。テニスに例えれば、ボールがネットにぶつかり、それが相手コート内に落ちるか自分側に落ちるか、それによって運命が決まる。」
これがこの映画のテーマになっている。
ラスト付近で指輪を投げるシーン。
欄干に当たり、河へは落ちず、手前に落ちる。
つまり、「運が悪かった」という象徴的なシーン。
このシーンで観客に「殺人がばれる」と予感させる。
しかし、そうはならない。
この持っていき方が憎らしいほどうまい。
悲劇のヒロインを演じたスカーレット・ヨハンソン。
これ以上なく魅惑的。
金髪に男は弱い。
愛欲に負け、人生を狂わす。
だけど、守りたいものもある。
守りたいもののためなら、どんな残酷なことでもしでかす。
自分が一番かわいいから。
だが、それと代償に一生、人を殺したという罪悪感がついてまわる。
その罪悪感と金持ちの暮らし、どちらを選ぶか?
当然、罪を償い、殺人を自供するのが正しい道だが、自分がその極限の状況に立たされた時、それを正しい選択として選ぶことができるのか?
それを自分に問いかけられたような気がして、そういう意味で後味が悪い。
しかし、よく考えてみると、全ては主人公の男が自分でまいた種だ。
つまりは、まっとうな道から外れたことさえしなければ、こんな状況に追い込まれずに済んだのだ。
全てはこの男の自業自得。
一時的な欲求、特に愛欲に惑わされずいかに自制するか。
これがいかに重要かを、この作品から教訓として学ぶことができる
、、とレビューを終わらせると、簡単に結論めいたことが出たようだが、はたしてそんなに簡単か?
何故なら、スカーレット・ヨハンソンの様な、運命を狂わす恐ろしく魅力的な女性が目前に現れたら、どうなるか分からない危うさを男は常に持っているからだ。
そう考えると、人生どう転ぶか分からない。
魔性の魅力を持つ女性を前にした時、男はいかに無力であるか。
そう思うと、そういった恐ろしいほどの魅力を持つ女性に出会ってしまうか、出会わずに済むかで、運命が決まるとさえ思えてくる。
“人生の大半は運で決まる”
本作がテーマとするこの言葉、強烈な説得力を持って身に迫ってくる。
あー怖い。
そんな魅力を持つ女性と出会いたくない。
いや、本当に出会いたくないの??
出会いたいよね??
出会いたくないの??
どっち??
・・・分かりません!
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