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タイトル名 |
ゆれる |
レビュワー |
オルタナ野郎さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-01-08 20:13:13 |
変更日時 |
2014-01-08 21:03:05 |
レビュー内容 |
西川美和監督の代表作という事で今更ながら観賞。ある種独特の飄々としたローファイ感漂うタッチで綴られてはいるが、この女流監督が突き付けてくる提起はいつもながら舌を巻く程に鋭い。対照的な生き方をする主人公兄弟を通じて見えてくるもの。都会と田舎。モテと非モテ。優越感と劣等感。そして、抑圧と解放。一億総中流社会と言われる中でぼんやりとだが確かに存在している「格差」と、無配慮と誤解の積み重ねで瓦解へと至ってしまう「人間関係(血縁関係)の危うさ」。兄弟の葛藤はやがて観る側の感情をも巻き込んで不安定な吊り橋の様に“ゆれる”。最終的な結論を受け取り手に委ねる作風が賛否両論を呼んでしまう事も多いが、控え目ながらも確実に物事の核心を射抜いてくる彼女のスタンスが私は好きである。 |
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