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タイトル名 |
松ヶ根乱射事件 |
レビュワー |
Seanさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2007-08-17 17:09:25 |
変更日時 |
2007-08-17 17:09:25 |
レビュー内容 |
作品タイトルからはそれこそ山奥の閉鎖的な村社会で起こった猟奇的な大量殺人事件なのだろうと勝手な想像をしていたが大違い。タイトルだけでも見事な外しっぷりを展開してくれる見事な傑作。ぎこちなさが山下ワールドのキーワードだと思っているのですが、この作品でもそれは健在。親子、兄弟(しかも双子)に起こるぎこちなさ、閉鎖的な共同社会の中に突如乱入してきた異界からのストレンジャー(キムニイ)達との間のぎこちなさ。本来他人との間にはぎこちなさがあるのが当然だし自然。ぎこちなさを受け入れてそれを乗り越えてコミュニケーションをとっていくからこそ人間社会は成り立っているのだしただの生活にもハリってのものが生まれてくるんだってことを気づかせてくれる。最後にはストレンジャーキムニイもぎこちないながらも共同体の中で生きていくことになってしまうし、ぎこちなさにずっと違和感を感じていた主人公も最後の乱射でかすかな抵抗を示すものの別にただそれだけ。人間ってのは情けない存在だけど情けないものほど愛しい生き物ですね。世界観といい人間描写といい映画らしい展開の突飛さといい、もう最高です。 |
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