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ぐるりのこと。 - 枕流さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ぐるりのこと。
レビュワー 枕流さん
点数 8点
投稿日時 2010-01-24 21:43:07
変更日時 2010-01-24 21:43:07
レビュー内容
正直に申し上げると、あまりリリー・フランキーが好きではなくて、何故かと言うとあの自然体に不自然な印象を持っていたからだ。飄々としているぜ、超然としているぜ、と言っていないのに言ってる気がして、そこから引きずりおろしたかったのである。でも、この作品のリリー・フランキーは、すごく良かった。まさに自然体だった。こういうタイプ以外の役ができるのかは分からないけれど、少なくともこの作品にはぴったりだった。

法廷画家のカナオと小さな出版社で働く翔子の結婚生活が、その時代の大事件と被せて編年体で語られるという地味な作品だが、人の心の動きを丁寧に追うという意味では、とても優れた作品になっている。いい加減なカナオと几帳面な翔子の生活は、最初はコミカルに描かれるのだが、娘の死を境に翔子はうつ状態に陥る。そこの部分の描写がちょっと弱い(実際のうつ病はもっと本人も周りも大変)かな?と言う印象は受けたが、許容範囲には収まっていると思う。その後、翔子が回復していく過程の描き方も温かくて気分が良かった。

あとは、翔子の兄夫婦を演じている寺島進と安藤玉恵の演技は特に良かった。倍賞美津子とか他の脇役も味のある演技でストーリーを盛り上げていた。
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