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緋色の街/スカーレット・ストリート - もっつぁれらさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 緋色の街/スカーレット・ストリート
レビュワー もっつぁれらさん
点数 7点
投稿日時 2012-09-28 00:45:03
変更日時 2012-09-28 00:56:03
レビュー内容
ストーリーは、パッとしない初老の出納係が悪女にのめり込んでいってしまうという既に何度か見たことのある話なんですが、序盤から主人公クロスの人物描写のきめ細やかさには目を見張るものがあり、興味を引かれるところであります。
雨の中、友人を傘に入れてあげたり警察を呼びに行ってあげたりするだけでなく、傘が破れているところをさり気なく入れてみたり、金庫から金を取ろうとして思い直したりするところや、エプロンをつけて家事をする姿なんかは滑稽を通り越して悲哀な印象すら覚えるほど。一方、悪女キティの方も、タバコを投げ捨てるだけでなくその先の流し台の中までも描くところなんかも唸らさざるを得ないようなワンショットだと思います。
人物の描写は丁寧で好きなのですが、やはりストーリーにアラが目立つのが難点でしょう。
一番気になってしまったのが、遠近法がメチャメチャと言われた絵が何故か高値で買い取られてしまったのと、金を工面するシーンが出てきたにもかかわらず最初に出てきた懐中時計がキーアイテムとしてその後に全く活用されなかった事なんですが、他にも、キティが主人公の台詞を借りて堂々としているにもかかわらず彼女は自分の絵に自信がないという設定で押し通そうとしていたり、殉職したはずの元夫と夫人が再会した後から裁判で証言をするシーンまでの過程が描かれていなかったりといった所もツメの甘さを感じました。
しかし、サイレントの影響を感じさせる音響演出なんかは好きですし、決して悪くはない映画だと思います。
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