みんなのシネマレビュー
紀元前1万年 - やましんの巻さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 紀元前1万年
レビュワー やましんの巻さん
点数 8点
投稿日時 2008-06-03 16:03:59
変更日時 2008-06-03 16:44:22
レビュー内容
神話や伝説なんかに接する時、往々にしてその「語り」の飛躍ぶりやご都合主義、デタラメさに驚かされる。そこでは人と動物が対等にコトバを交わし、何年もの時間がひと言で片付けられたりする。そして語り手(とは、その神話なり伝説を産んだ「集団的(無)意識」の具現化した存在=声に他ならないんだけれど)の思惑や気分(!)により、平気で展開や細部が変更・改変されることも常のことだ。でも、だからこそその「語り」は現代のような、緻密さと物語の整合性、テーマに汲々とした「神経症」的な息苦しさから解放された、あるすがすがしさや味わいがあるのだと思う。

オマー・シャリフの「語り」で物語が進行する『紀元前1万年』は、何よりも先ず、そうした「神話的・伝説的」な叙述[ナラティヴ]を映像化する試みとしてぼくは見た。というかこれは、最新のCG技術やらテクノロジーを駆使しつつ、しかし徹底して「現代的」な物語の叙述から身を離そうとする映画以外の何物でもないのじゃないか。だからこそ登場人物の「内面」やら心理的葛藤なんぞは、あっさりとナレーションで語られる程度なのだし(・・・例えばペーターゼン監督の『トロイ』は、登場人物たちの内面に寄りすぎたその「現代的」な演出ゆえに魅力を欠いたのだ、とすら言ってしまいたい)、死んだヒロインの“蘇生”場面にしても、あくまでそういった「語り」の要請に忠実だったゆえなのだ。すべてに成功している映画だとは思わないけれど(人々を支配する神のごとき存在がWASP風の「白人」だったというオチの、いささか安易な寓意性はむしろ不要だろう・・・)、その“大胆さ”こそ本作を真に興味深い作品にしているのではあるまいか。

そう、エメリッヒ監督の映画は、これまでもそのどこか反=時代的な「語り」のおおらかさこそが魅力なのだった(まあ、それを「バカバカしさ」ととる向きもあるんだが)。本作は、そういった「語り」そのものに監督自身がのめりこんでいるかのようだ。それゆえ、彼の映画としてはあまりに“作家性(!)”がオモテに出すぎた感がなくもない。が、「神経症」めいた映画にどこかイヤ気をさしていた観客にとって、これほど映画ごころを慰撫され、ホッとできる作品もないだろう。

エメリッヒ、やはり断固支持!
やましんの巻 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-05-18ワンダーウーマン 1984105.92点
ワンダーウーマン106.52点
2016-03-29アメリカン・スナイパー106.94点
2014-10-29マネーボール106.86点
2014-10-28ホワイトハウス・ダウン106.58点
2014-10-22カウボーイ&エイリアン74.74点
2014-04-05ラッシュ/プライドと友情107.45点
2014-04-02ゼロ・グラビティ67.63点
2013-11-22ペコロスの母に会いに行く106.76点
2013-11-20三姉妹~雲南の子107.75点
紀元前1万年のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS