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タイトル名 |
007/慰めの報酬 |
レビュワー |
枕流さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2009-01-25 18:18:17 |
変更日時 |
2009-01-25 18:18:17 |
レビュー内容 |
前日に「カジノ・ロワイヤル」を再鑑賞し、万全の状態で臨んだ。相変わらずの凝ったオープニングで、期待も膨らむ。前作はトランプをモチーフにしていて、カラフルで華やかだったから、個人的には前作の方が好み。でも、今作の砂をモチーフにした造形もすごく良かった。 初めから怒涛のアクションシーンが炸裂するつくりも、前作と共通している点でしょう。今回は壮絶なカーチェイスで幕を開け、そこからイタリアのシエナで追いかけっこ。前作はボンドの特性を披露する見事なアクションシーンだったのに対し、今作はそこまで意識はされておらず、残念だった。ボーンシリーズ以降、メジャーになったカットバック多用型の(個人的には好みだが、何が起こっているかわかりにくいという意見もある)アクションシーンだった。 ただし、その後の展開はアクションのつぎはぎのような印象が否めず、大満足とはいかなかった。ストーリーも一本調子で変化に欠ける。ボスキャラのマチュー・アマルリックも少し貧弱で線が細い。総合的な印象としては、前作の方が良かったが、映画館で観れば、十分楽しめるレベルだと思う。 今作がシリーズの中で果たす役割としては、①敵の「組織」はかなり大規模であることが明らかになったと言うことと②ボンドが過去の思いをふっきり、スパイとして一応の完成形に到達したということだろう。次作では、ボンドの温かさと冷たさをどう出していくかが難しくなったと思う。スパイに成りきったボンドが、あまり人情味を出してもおかしいし、かと言って目的のためには手段を選ばず、誰彼かまわず利用する冷酷なマシーンと化していても、支持は得られないだろう。次作のボンドの人物造形に課されるハードルがぐんと増した気がする。 意外だったのは、前作よりもアクションシーンの比重が増していたこと。監督の人選などから、もっとドラマ性を高める方向に持っていくのかと思っていたが、良い意味でも悪い意味でも裏切られた。 |
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