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タイトル名 |
この自由な世界で |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2009-07-28 11:58:45 |
変更日時 |
2009-07-28 11:58:45 |
レビュー内容 |
この人の映画のいいところは、スルッと社会問題の内部に入り込んでいくうまさ。不法移民就労問題なんて、日本のニュースだと、強制送還されてかわいそう、という面と、斡旋業者がさも極悪人のように逮捕されていく場面といった、外部から眺める視点しか持てない。それがちょっと内側から眺めると、複雑な力があちこちからぶつかり絡まりあっている現代の一局面として浮き上がってくる。同情と金儲けで揺れるヒロイン、金儲けと言ったって解雇されたばかりの33歳の彼女にとっては、人生最後の賭けのような気合いが入っている。金持ちのギャンブルとは違う。こういう正解のない問題を、できるだけ解に近づけようと小数点以下二桁ぐらいまで割り続けていくのがローチ作品の偉大さだった。ただ本作は、やや問題を整理し過ぎたきらいがあり、いつもに比べると小数点以下一桁ぐらいで止めてしまった感じもある。自分の手持ちの労働者のために不法移民排除を企てる、ってのは、ローチのストーリーとしては、ちょっと分かりやす過ぎる展開になってなかったか。 |
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