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タイトル名 |
女人哀愁 |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2009-06-18 12:03:37 |
変更日時 |
2009-06-18 12:03:37 |
レビュー内容 |
あたしは古い女だから、と言ってる主人公、でもレコード売り場で働くってのは、この時代そう古くさいわけでなく、モガの素質はあったわけだ。古い古いって言われてるから、ズルズルと古い見合い結婚してしまったようなところがあり(イトコが好きなんだけど近すぎてうまくいかない)、結婚なんてこういうものなんだ、と自分に言い聞かせ、成るように成ると流して冷たい夫と暮らした日々が、最後に爆発に至るってな話。あたしだってダンスぐらい踊れるわ、とイトコの妹と踊る場なんか、彼女の心の深層を見せハッとさせる。若い世代は平気でジャレあえ、もうそこまで無邪気になれないヒロインとイトコの二人と対照させる。大事に大事にこきつかう(襖のあけたて・弟の算数の宿題)夫と、金はないが愛はある妹の愛人がまた対照される。じっと耐えてきた入江が、ついに妹の愛人に加担することで自己主張する展開、どこか仁侠映画にも似た情動がある。ラストでビルの屋上にイトコと立ち、「ズルズルはいけないわ」ってなことを言う。成瀬映画の基本モチーフって「ズルズル」だと思ってる私としては面白かった。ズルズルはいけないと思いつつ、ズルズルしてしまう人生の味わいを描くことにかけて、天才的な監督だったと思っているもので。三浦光雄の撮影に逆光の美しさあり。 |
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