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ディア・ドクター - 目隠シストさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ディア・ドクター
レビュワー 目隠シストさん
点数 9点
投稿日時 2013-11-15 18:25:42
変更日時 2013-11-15 18:25:42
レビュー内容
どうしても必要なものが手に入らなったら、人はどうするのでしょう。絶望する?諦める?いえ、代用品を探します。ハリボテだろうと、紛い物だろうと、無いよりはマシ。伊野という“張子の虎”を本物の医者と信じたのは、張子の出来が良かったからではなく、村人が信じたかったからだと推測します。少なくとも看護師は早々に伊野の正体を見抜いていたでしょう。でもその事実に蓋をしたのです。おそらくは村長も。そして一部の村民も。村ぐるみの知らなかったフリ。村人が優先したのは、医療技術ではなく“医師が在住している安心感”だったのでしょう。しかし、これは幻想でした。当たり前ですが、緊急事態に偽医者では役に立ちません。先にその事に気付いたのは、他ならぬ偽医者自身です。気胸の件はラッキーだっただけ。二度目はありません。伊野の額の脂汗が証拠。そういう意味では、かづ子の娘来訪は伊野にとって渡りに船でした。病気を見過ごすのは許されるのか?本物の医者ならどう判断するか?どんなに考えても、ニセモノに答えが出せるはずがありません。患者との約束を守りぬく覚悟も、嘘をつき通す信念も、彼には無かったのです。責任の重さに耐えきれなくなった伊野は、ついに逃げ出しました。暗闇の中、必死に伊野を探す研修医の姿が印象的です。失くしたものを探す。いや、初めから存在しなかったものを探す。この行為が、偽医者騒動の本質であったと考えます。『蛇イチゴ』でも感じた事ですが、西川監督のアプローチは複眼的です。伊野、研修医、看護師、村長、健康な人、病気を患っている人、そして部外者である警察。それに医師不足に終末医療の問題。視点や立場、角度を変えて事象を照らしてくれます。どれもが正しくて、全てが間違っているように思える妙。監督の主義主張も抜かりなく挿入されており(ラストのかづ子の笑顔こそ監督のメッセージ)、頭と心をフル稼働させて味わい尽くすに相応しい、質の高い映画でありました。最後に鶴瓶について語らせてください。元ぬかる民(←コレが言いたかっただけ)として、鶴瓶にシンパシーを感じている私ですが、それを差し引いても本作の伊野役は完璧でした。演技は上手いとは思いませんが、鶴瓶のキャラクターを100%活かした見事なキャスティングだったと思います。脇を固める俳優陣も非の打ちどころがありません。何度も観たい、大好きな映画に、またひとつ出会えました。
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