みんなのシネマレビュー
抱擁のかけら - かたゆきさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 抱擁のかけら
レビュワー かたゆきさん
点数 8点
投稿日時 2015-02-06 19:49:25
変更日時 2024-01-22 13:08:30
レビュー内容
私の名前はハリー・ケイン、かつて名の知れた映画監督だった。映画や脚本を著すとき、私は必ず“ハリー”の名を使った。つまりペンネームだ。本当の名は、マテオ。だが、ある日を境にマテオは消えハリーだけが残った。全ての過去を捨てハリーとなった私は同時に視力をも失ってしまったのだ――。深い孤独の中に生きる盲目の元映画監督ハリー。ある日、彼の元にマドリードの実業家エルネストが死去したという知らせが届く。「そうか、とうとう彼が死んだのか…」と、しみじみ呟くハリー。自身の身の回りの世話をしてくれる青年に、ハリーは自らの秘められた過去を語り始めるのだった……。物語は、そんなハリーの映画監督として充実していた日々、そこで出逢った若く美しい女優レナと強欲な実業家エルネストとの愛憎渦巻く確執をミステリアスに交錯させながら、彼が視力と過去を全て捨て去るきっかけとなったとある一日へと収斂させてゆく。スペイン映画界が生んだ至宝アルモドバル監督と女優ペネロペ・クルスが再びタッグを組んで描いたのは、これまで彼らが創り上げてきた名作群の製作過程を自己戯画化したようなそんな哀切感漂う人間ドラマでした。とにかく、もう彼にしか生み出せないであろう情熱的な“赤”を基調とした極彩色な映像美は、今回もほんと素晴らしかったですね。そんな絵画のように美しい映像の中に、これまた女性の美しさの頂点を極めた?だろうP・クルスが華を咲かせておりました。いやー、溜息が出るほどに耽美(笑)。そして本作が何より優れているのは、そんな女性の美しさを永遠に記憶に留めておきたいためにハリーが自ら盲目となったような描写が随処に散見されること。いやー、やっぱり良いですね~、この芸術に域にまで達している変態紙一重の谷崎潤一郎的フェティシズム。もはやアルモドバル版『春琴抄』。そんな豊潤な世界を、今回も充分堪能させてもらいました。最後、遺された彼女のフィルムを再編集して新たな映画を創り出そうとするハリーに、アルモドバルの映画への深い愛情――そして倒錯的な女性崇拝の念を見出さずにはいられません。
かたゆき さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-05-01ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE77.41点
2024-04-26ザ・キラー76.40点
2024-04-26バービー(2023)56.76点
2024-04-20ブラックアダム56.72点
2024-04-13エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス35.72点
2024-04-10すずめの戸締まり76.54点
2024-04-06月の満ち欠け65.60点
2024-04-03ハウス・バウンド66.00点
2024-03-30あのこと55.00点
2024-03-30ウェディング・ハイ65.71点
抱擁のかけらのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS