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タイトル名 |
アレクサンドリア |
レビュワー |
tottokoさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2016-05-23 00:37:25 |
変更日時 |
2016-05-23 00:37:25 |
レビュー内容 |
壮麗な古都のセットとレイチェル・ワイズの賢美なこと。見事な美術の中で展開されるのは人間が繰り返し起こしてきた宗教戦争の、うんと初めの物語。 他宗教に不寛容で、暴力を伴う諍いは二千年経った今でもそっくり同じことが起きている。聖典の言葉を都合よく解釈し、人類の財産である知や建築を破壊するその行為へ抱く憤りの感情は現在にも通じるものだ。 女性研究者として名を残したヒュパティア。R・ワイズが彼女のひたむきに真理を追究する姿をこれ以上のキャスティングは無いと思うほどに好演。”人権”の概念が無い時代ゆえ、彼女もまた奴隷を人間の男として見なしていない当時の支配層の感覚もきちんと描かれていて、歴史を扱ううえで公平な感覚を持った監督だと思った。 奴隷だったダオスのヒュパティアに抱く恋心も横糸として機能しており、最後に彼の想いは究極のやり方で彼女の魂を救う。フィクションではあろうけど、実に悲劇的なラブストーリーでもあり、この場面には切なくなった。 絶命間際にヒュパティアの瞳に映った天空。その刹那、求め続けた宇宙の真理が彼女の中に降り立ったのだと思いたい。 |
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