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お家をさがそう - やましんの巻さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 お家をさがそう
レビュワー やましんの巻さん
点数 8点
投稿日時 2011-04-22 10:48:22
変更日時 2012-05-17 13:12:37
レビュー内容
保険の仲介とイラストの仕事で、何とかしのいでいるらしい主人公のカップル。そんな彼らに、子供ができた。赤ん坊を産むための「理想的な生活の場所」を見つけるため、ふたりはアメリカ各地に暮らす知人や友人たちを訪ねる旅に出る・・・。

『アメリカン・ビューティー』以来、現代アメリカの家庭像とその崩壊するさまを、どこまでもシニカルに描いてきたサム・メンデス監督。人間の卑小さゆえの「悲劇」を突き放しつつ見つめ、むしろ“滑稽”なものとして浮き彫りにする。そこにあるのは、そういった「悲劇」すらも、笑えない「喜劇」にしかなり得ないという、苦い認識だろう。我々はそういう時代を生きているのだ、と。それこそが彼の作品の一貫したモチーフなのだった。

しかし、この映画では何かが決定的に異なっている。これまでは物語や人物に対して超越的な“観察者”としての立場をとってきたサム・メンデスの映画だが、ここでは、あきらかに主人公のカップルの視点に同調[シンクロ]しているのである。彼らの眼を通じて、現代アメリカの様々な家庭像を見つめようとするのだ。

そしてこの主人公たちは、純粋にお互いのことを愛している。その“まっすぐさ”において、彼らはほとんど「天使的存在」だといって良いだろう。そんな彼らがアメリカ大陸横断の旅で出会うのは、様々なトラブルや問題を抱えた家庭の光景だ。しかし、これまでなら家庭の崩壊劇のそれこそ見本市(!)となっていただろう展開を、この主人公カップルの存在が救済する。彼らがその光景に怒り・とまどい・呆れ・胸を痛めながら、そういったひとつひとつの反応や心の機微の“まっとうさ”が、これまでのサム・メンデス作品になかった「ぬくもり」を、この映画にもたらすことになった。

結局、自分たちにとって「理想の場所」とは最も身近なところにあった…という結末は、いささか安易かつ「保守的」なメンタリティにすぎるという気がしないでもない。けれど主人公のカップル、とりわけ男の方の、彼女のことはもちろん出会う人々のことを不器用ながら本当に思いやれるその“いいひと”ぶりに、ぼくは心から感動した。彼こそはフランク・キャプラ作品のジェームズ・スチュワートに連なる、アメリカ映画の“いいひと”路線の正統なる後継者だろう。

正直あまり好きになれずにいたサム・メンデス監督だが、この映画だけは、心から乾杯!
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投稿日付邦題コメント平均点
2021-05-18ワンダーウーマン 1984105.92点
ワンダーウーマン106.52点
2016-03-29アメリカン・スナイパー106.94点
2014-10-29マネーボール106.86点
2014-10-28ホワイトハウス・ダウン106.58点
2014-10-22カウボーイ&エイリアン74.74点
2014-04-05ラッシュ/プライドと友情107.45点
2014-04-02ゼロ・グラビティ67.63点
2013-11-22ペコロスの母に会いに行く106.76点
2013-11-20三姉妹~雲南の子107.75点
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