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黄色い星の子供たち - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 黄色い星の子供たち
レビュワー 鱗歌さん
点数 9点
投稿日時 2013-08-31 12:06:48
変更日時 2013-08-31 12:10:37
レビュー内容
邦題を見てSF映画だと勘違いしたのは私は決して少数派ではないと思うのですが。第2次大戦、ドイツ占領下のフランスで行われた、ユダヤ人一斉検挙。ある少年の目を通して描くと同時に、ヒットラーの姿もまた並行して描かれるのは、実際にあった事件の再現ドキュメントとしての性格を映画に持たせますが、ここでのヒットラーは、映画が描く事件の異常性と単純に呼応させるような“狂気の人”としての描写ではなく、時に狂気を演じこそすれ、周囲の人間にとっては“普通の人”としても描かれています。これは、ひとつには、蛮行に加担したフランスを告発するべき本作が、ヒットラーという個人に責任をなすりつけて良しとするようなカリカチュア化した描写を行う訳にいかない、という表れでもあるのでしょう。しかしそれに止まらず、一方で主人公の少年、一方でヒットラー、という映画の中で決して交わることのない二人が描かれることで、両者の間に存在するどうしようもない「分断」が明らかとなります。いやそれだけではなく、フランスにいるユダヤ人と、フランス人たちとの間にも「分断」があり、それによってユダヤ人家族たちをバラバラにしてしまう、新たな「分断」が生まれる。映画は、あえて「フランス人が1万人のユダヤ人を救った」と告げて終わるけれど、映画自体は明らかに、それを素朴に肯定して描いたりはしていません。映画は、悲劇を、大きな「分断」を、怒りを込めて描いています。「再会」も描かれるけれど、家族がそろった元の幸せな生活が戻ってくる訳ではない。「分断」でいったん損なわれたものは、もはや決して取り戻すことはできない、という現実。1万人救ったと考えるべきなのか、1万人しか救えなったと考えるべきなのか。実際にあった事件を描くということで、史実を追うという点ではドキュメンタリ調の部分もありますが、それに縛られることなく、むしろ、情熱と怒りに満ちた描写が多く見られ、これはあるいは、監督が映画界の外から来た人(ジャーナリスト出身)ならではの、“なりふりかまわぬ気迫”の表れなのかも知れません。凄い映画でした。 ちなみに、競技場等のシーンで流れるのは、フィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲第2楽章。これはちょっとセンス無いかな……。
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