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チェイシング・エイミー - 民朗さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 チェイシング・エイミー
レビュワー 民朗さん
点数 8点
投稿日時 2012-12-08 18:56:03
変更日時 2012-12-08 18:56:32
レビュー内容
只のロマコメかと思いきや真剣に愛のカタチを考え抜いた話で驚きました。ストレート、レズビアン、ゲイ、ホモフォビア、それぞれの愛に対する本音を赤裸々に描いています。そしてパートナーが性に対して経験豊富だったらどうするのか?という結構ありふれた問題に対して主人公が悩み、考え続け、成長する展開には少し目頭が熱くなってしまいました。
それからキャラクターの性格というか恋愛へのスタンスをアメリカンコミックに投影させて言外で描写していることに驚かされます。ヒロインのアリッサは昔"タコツボ"(アレを吸い付くと離れないという意)という渾名が付いていた程の世間的にはアバズレ女ですが書いている漫画は運命の人に巡り会えずに悩む人々の話です。つまり彼女は本当の愛のカタチを探し求めて、3Pをしてみたりレズビアンになってみたりしたことがそこで判る。主人公の親友のバンキーは最後にゲイであることが明らかになりますが、彼はずっとヒーロー物の漫画を書いておりそのヒーローは親友である主人公のことだった。だから最後に主人公との愛が成就しないと悟りヒーローを殺す話を書いた。主人公は性に対して経験豊富なアリッサを中々受け入れられず拒絶し彼女を傷つけた体験を"Chasing Amy"という漫画として上梓した。真に心を打つ作品とは作者の個人的な感情が吐露されている作品であるという一種の芸術讃歌にもなっている点が大変面白いと思います。
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