みんなのシネマレビュー
桐島、部活やめるってよ - 黒猫クックさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 桐島、部活やめるってよ
レビュワー 黒猫クックさん
点数 9点
投稿日時 2013-05-15 13:41:29
変更日時 2013-05-15 17:03:42
レビュー内容
まばらに帰り始める同級生にばいばーいとさよならを投げかけつつ、部活の準備をする。
 そろそろ帰宅部の連中は駅やアパートに向かって行ってしまった頃になる。そうすると僕らの第二格技場に向かう広い道で四人のクラスメイトが、ケチをつけてくる。いつもの出来事である。

「ねー、そんなにガチにやんなくても良いから帰ろうよ」

 街で遊ぼうよという彼の気持ちは分かる。出来るだけ大勢が良いと言うのもだ。でもこの日は単調なトレーニングが中心だったからかつい、練習したいから遊びにいってくれ。と、僕は強く言ってしまう。このとき生じた彼らの中の黒い気持ちは、すぐに大きくなって僕に向かった。
「あのさ、ここはお前んちじゃねえし」俺らの勝手だし。一人が乱暴に近づいて僕の襟首を引き寄せると、彼らの心から本音のような物が溢れてきた。

 不愉快だったのは彼らのせいでは無かったと思う。けど、僕は彼の右腕に僕の右腕をするすると這わせて肩口をつかんだまま、背後に立った。用意していた左手でつかんだ後ろ襟から彼に重しを掛けるとすぐに膝を突かせて自由を奪った。視界が揺れた瞬間の出来事に何が起こったのか彼は理解できないようだった。
 今にも暴行事件になりそうな雰囲気に、残りの三人は顔色を変えてすまんすまん、コイツが悪い。悪かった。と、慌てて走り寄ってきた。
「いや、そう言うつもりでは無く、なんか怒っちゃってすまん」と、今にも壊れそうになっている人間関係を取りなそうと、僕も含めて全員必死だ。

 彼らの中に溜まっていた、「何かに打ち込みたい」という応力が心を折って、今日は外に向かってしまったのだった。僕の一言が原因でもあった。
 だけど、この一件で僕の心も何となく本当は打ち込んでいない事実を自分のなかに見つけてしまった。
 厭々やっている。自分で選んで入ったのに。仲間が無心でサンドバッグを打ち続けているその傍で、僕も怒声を上げて人を蹴り上げている。嫌なのに。
 そうやって月日が経っていくうちに、部活には出なくなってしまった。

 結局、僕も講義が終わるとベンチに座って遊びに行くのを誘う側に立っている。「何かに打ち込みたい」って思いながら。
 新しい仲間全員がそう思っていない事を意外に思い、でも、自分だけが勝手に狭い価値観を作り出している事にやっと気がついた。

 と、脳内学園で事件が起こった。
黒猫クック さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2016-01-10スター・ウォーズ/フォースの覚醒86.85点
2015-12-26ロボコップ(2014)95.66点
2015-09-20007/慰めの報酬76.16点
2015-06-14映画 鈴木先生86.24点
2015-06-08バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)96.37点
2015-04-13機動戦士ガンダムUC/episode 5 黒いユニコーン55.33点
2015-04-12007/消されたライセンス66.65点
2015-03-29アメリカン・スナイパー96.94点
2015-03-23遊星からの物体X87.70点
2015-03-21007/カジノ・ロワイヤル(2006)87.14点
桐島、部活やめるってよのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS