|
タイトル名 |
希望の国 |
レビュワー |
Balrogさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-10-27 14:33:05 |
変更日時 |
2012-10-27 14:33:05 |
レビュー内容 |
これまでの園作品を想像していると意表を突かれる。残酷さやエキセントリックさ、ある種のエクストリームさは影を潜め、真正面からドラマを撮っている(ようにみえる)。福島原発事故が何年前のことかわからないが、まだ国民の中には残っている設定。そして「もう逃げ場はない」というようなセリフから、恐らく本作の原発は西日本にあることが考えられる。「福島を思い出せ」のようなセリフが何度か出てきており、やはり前提となっているが、実際に福島の教訓はほとんど活かされない。妻の宇宙飛行士のような防護服は「園作品らしい」部分であったが、非常に主観的な感情が、単なるヒステリーと突き放すことを許さない。また、実際の福島の映像、津波で荒廃した被災地の映像も織り込まれており、単なるドラマではない。ラストの「愛」も園作品らしい結末だが、その平凡さは、この物語が再び繰り返されるような不安を覚えずにはいられない。園が伝えようとしたのは福島を忘れるな、という分かりやすいメッセージであろう。どこということもなく「帰ろうよ」と何度も言うチエコの言葉が印象的である。 |
|
Balrog さんの 最近のクチコミ・感想
希望の国のレビュー一覧を見る
|