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アシュラ(2012) - θさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 アシュラ(2012)
レビュワー θさん
点数 9点
投稿日時 2013-04-18 01:00:15
変更日時 2013-04-18 01:00:15
レビュー内容
内容としてはかなりタブー的なものに挑んでいる作品。人間が、まさに「人間」になるがゆえに苦しみ、そしてその罪と犠牲の中で葛藤する。アシュラはその只中を経験し、人間になりかけているところですれ違いを繰り返す。

■若狭はアシュラの人肉を拒み「食べるぐらいなら死んだ方がいい」と言う。しかし、彼の恋人もまた若狭のために盗みという罪を犯そうとする。もし盗みがうまくいったとしたらどうなったのであろうか。恋人の持ってきた食べ物を若狭が食べるのだとしたら、それは結局「罪と汚れを他の者に被せることによって、自らの汚れなき状態を安心している」だけになってしまうのではないか。アシュラはその取りつくろいが極めて下手であり、恋人は恐らく上手くやれる。しかしそれは本質的には違いはない。「私は罪なく生きる」ではなく「いかに汚れなき生き方だと思っていても、私も罪の中にいる」と自覚し葛藤することが必要なのであろう。それが最後の法師の一言に表されている
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