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智恵子抄(1967) - アングロファイルさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 智恵子抄(1967)
レビュワー アングロファイルさん
点数 7点
投稿日時 2012-10-22 20:14:05
変更日時 2012-10-22 20:14:05
レビュー内容
言うまでもなく高村光太郎の智恵子抄ですが、そのままではドラマ化しにくいのか、佐藤春夫の小説版を原作にしています。
2人の出会いから智恵子の死まで、ていねいに撮られています。序盤のややぎこちない関係から結婚まで、見ていてほほ笑ましいのですが、そんな中にも後半への伏線がちらほら……。こうした構成はうまい。それにしても、高村光太郎は芸術家として激情型だと勝手に思っていましたが、本作ではそれほどでもない。厳しさは感じさせますが、智恵子の前だとなんだかフニャフニャになるのがおかしい。
後半智恵子がおかしくなってからは、もう岩下志麻の独擅場。ここですごいのは、智恵子が最初は正気な時もあって、自分が狂っていくことを自覚しているということ。これは怖い。このあたりから最終的におかしくなるまで、目が離せません。本作での智恵子さんはたおやかではかなげなイメージがあるので、暴れたりする時には哀れさが増す、ような気がしました。
全体としていいと思いますが、時間の関係かエピソードの羅列に流れたのが残念でした。
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