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タイトル名 |
悪の教典 |
レビュワー |
あにやん🌈さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2012-11-22 14:32:32 |
変更日時 |
2012-11-22 14:32:32 |
レビュー内容 |
大島優子の弁護をする訳じゃないですが(笑)、私にはこの映画、中身なんてなーんにも無しの単なるスプラッターホラーにしか見えませんでした。
映像的には面白いところがあります。電車の中でドアや手すりがずーっと奥まで重なって左右に揺れ動いてるとか、車の中で対話する二人をずっと雨が降る外から捉えてるとか。伊藤英明はいい人の表情のまま凶悪、って役を見事に演じてますし。
でも、登場する生徒達の大多数がドラマを与えられず単に数を重ねるための殺られ要員でしかなく、数少ないドラマを抱えた生徒達もそのドラマを結実させる事なくどんどん処分される状態、そこには抵抗や共闘のドラマも、理不尽な死に接した悲劇・無常感すらも無く、見世物としての血しぶきが飛び、数字としての死体が転がるばかり。東大を目指す秀才のあまりに類型的な描き方なんて悪意を持っているようにすら思えます。
この映画、人間的な魅力のある描写は唯一「凶悪な殺人犯がいい人を演じている時」だけ。他は皆、身勝手であったり病んでいるように映ります。その、負の土壌の混沌から神と悪魔とが生じ、粛清と浄化へと至るのですよ、みたいなメッセージがある・・・のかって言うと、そこまで深く描かれたモノなんて感じられず、単に人殺しエンターテイメントがやりたいだけ程度にしか映らないんですよねぇ。
明るい教師の実体が明らかにされてゆくシチュエーションは面白かったのですが、見終わって「人がいっぱい殺されました」以外の何も残らない映画で、それはそれでアリなんでしょうけど、でもこの設定ならもう少しやり様があったんではないの?と思ったりするのでした。 |
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