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かぐや姫の物語 - pigeさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 かぐや姫の物語
レビュワー pigeさん
点数 8点
投稿日時 2020-01-12 22:13:03
変更日時 2020-01-12 22:13:03
レビュー内容
山、都。月の三つの世界があり

山は少年時代のたいせつな思い出 すがりたい過去
都は大人になってからの現実 日々のくらし
月は死の世界 運命

月は穢れのない平穏の世界
天女「清らかな月の都お戻りになれば そのように心ざわめくこともなく この地の穢れも拭い去れましょう」
姫「汚れてなんかいないわ 喜びも悲しみも この地に生きる物はみんな彩りに満ちて 鳥、虫、獣、草木、花、人の情けを」

雪の上でゆきだおれた時に月の世界を思い出している。
月の迎えは、来迎そのものである。

良かれと思ってしたことが姫には受け入れられず、
再起を待つ草の芽を見て都の生活を受け入れる。
そのくせ庭に山を見立てた庭園を造り心をなぐさめる。
貴公子の死を知り自分の行為をのろい
「私もみんなニセモノだ」と庭園を壊す。
山(捨て丸)への憧れと、都(親)を捨てきれない束縛。
媼だけはその苦悩を知り密かに山へ連れて行く。

捨て丸に出会った姫は「しあわせになれた」と告げて二人空を飛ぶ。
満月を前にして姫は抗しきれず彼の前から姿を消す。
捨て丸にも妻子を持っている現実がある。それなりに受け入れて子を抱く。
本当に姫と逃げるつもりなどはない。
(おそらく姫はそれに気づいてしまった)

来迎までの出来事には決着というものが無く
結局はかみしめるしかない
それらを含めて、いまわの際には愛着を持って思い出すということか。
死を見据えて作ったような作品。

帝の入内要請を断る姫の台詞「おとうさまが位に就いたのを見届けて死にます」
帝から逃れようとして月を呼んだ。
月に戻るということは現世からの離脱すなわち死

誰のものにもならない(すてまるの元に行きたかった)ということを守り抜いた結果がこれである
翁が姫と山に居続けていたら、すてまると結ばれ、月に戻されることもなかったのだろうか。

生きている実感。

かぐや姫がどうしてそこまで頑ななのか、理解にくるしむ。
月の住人ゆえの感じ方か。

まとまらずすみません。
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