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タイトル名 |
紙の月 |
レビュワー |
すべからさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2015-05-21 01:43:18 |
変更日時 |
2015-05-21 01:43:18 |
レビュー内容 |
不正っていうのは、善悪の問題では語れないんですよね。その辺りを分かって作ってらっしゃる。一回、手出しちゃうともうダメです。感覚狂いますね。最初のうちは罪悪感があると思うのですが、どんどん鈍ります。彼女は、一線を越え、ありのままの彼女になり、短期的ではありましたが幸せを手にしました。 そんな彼女を「悪人」として描かない手法は賛否がありそうですが、極めて人間的に見えます。こういう人は正直イヤですが、憎たらしいという感情は湧きません。どこにでも当たり前にいるんだろうな、と思えます。 一歩間違えばマルサの聡美姉さんが不正をしていたのかもしれません。 そして、男の視点で見ると露見しないようなすれ違いの積み重ねで、嫁にとんでもないストレスを溜めさせてしまって、それが不倫&横領を引き起こさせちゃうなんて恐ろしくてしょうがない。 世にも恐ろしくて胸の苦しい傑作「テイク・ディス・ワルツ」を思い出しました。 ありがちな小さな事件を描いた作品ですが、音の使い方がうまく居心地が悪く、ソワソワさせられました。 |
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