みんなのシネマレビュー
15時17分、パリ行き - 鉄腕麗人さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 15時17分、パリ行き
レビュワー 鉄腕麗人さん
点数 8点
投稿日時 2019-07-28 00:23:32
変更日時 2019-08-26 22:51:29
レビュー内容
何という豪胆で巧い「映画的話法」だろうか。
キャスティングにおける「特異性」は当然認識した上で鑑賞していたが、現実のフランス大統領本人から勲章を授与されるラストシーンを観ながら、思わず「うまく合成してんなー」と思ってしまった。
「あ、いやいや本人だ」と一寸遅れて思い直すくらいに、主人公らを演じたこの事件の“当事者”たちの演技には違和感がなかった。

2015年、実際にヨーロッパの高速鉄道タリス内で発生した銃乱射事件を描くにあたり、その現場に遭遇し、事件に立ち向かったアメリカ人の若者3人をはじめとする当事者(無論演技素人)たちを主演に起用するというあまりに常軌を逸した映画企画を立案し、成立させ、きっちりと良作を生み出してしまうクリント・イーストウッドという“映画人”は、本当に本当に映画に愛されているなと思う。

イーストウッド監督は、「アメリカン・スナイパー」、「ハドソン川の奇蹟」、そして本作と、この数年特に現実世界の中で実際に起こった社会的事件を精力的に映画化している。
題材の種類自体はバラバラだけれど、その根幹にある性質と、描き出そうとするテーマ性には揺るがないものを感じる。

それは即ち、現代社会における「アメリカ人」の在り方を問うということに尽きる。
それぞれの映画の主人公たちは、みな一つの「正義」や「信念」を背負って生きている。
ただし、彼らは一様に惑いと脆さを孕み、あらゆるしがらみや重圧に耐えながら苦闘する。
そこには、様々な側面でアンビバレントな理想と現実を抱える現代のアメリカ社会の中で生まれ、生きるアメリカ人の生き辛さのようなものが如実に映し出されているように感じる。

それはまさに、クリント・イーストウッド自身が今現在何よりも強く感じている、自国に対する憤りと悲しみなのだろう。
だからこそ、この御年89歳(2019年8月現在)の巨匠は、実際の事件発生から間髪を入れず、アメリカという国と、アメリカ人の「今現在」を映画として描き出すことに情熱を注ぎ続けているのだと思える。

そして、アメリカ映画史を代表するスター俳優でもあるクリント・イーストウッドは、観客に対して「娯楽」と「希望」を提示することを忘れない。
息が詰まりそうな世の中(アメリカ)だけれど、それでもこの国の人々は、何時だって誰だって“英雄(ヒーロー)”になれるんだ。ということを映画の主人公たちを通してひたすらに伝え続ける。
本作の主人公に演技経験がまるでない「素人(ただのアメリカ人)」を起用したのは、まさにそのメッセージの具現化に他ならない。
鉄腕麗人 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-14映画『からかい上手の高木さん』66.00点
名探偵コナン 紺青の拳24.45点
2024-04-09デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション[前章]97.50点
2024-03-31オッペンハイマー96.40点
2024-03-24DUNE デューン/砂の惑星 PART276.50点
2024-03-10アルキメデスの大戦86.60点
2024-03-02アラジン(2019)77.24点
2024-02-24マーベルズ64.87点
2024-02-23別れる決心98.66点
2024-02-12かがみの孤城67.53点
15時17分、パリ行きのレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS