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響 HIBIKI - 映画の奴隷さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 響 HIBIKI
レビュワー 映画の奴隷さん
点数 8点
投稿日時 2019-06-28 07:19:37
変更日時 2019-06-29 08:51:02
レビュー内容
 
原作は見てません…その上で。

平穏の日常世界。
銃声も硝煙の匂いも…
エイリアンも、アンドロイドも出現しない世界。
そこに現れた少女は全てが異端。

映画を物語と捉えるか?
それとも…
心に影響を与える現実の一部として捉えるのか?
それで、この映画の評価は大幅に変わるだろう。

もし、現実と捉えるならば、だ。

我々は、決して鮎喰響という異端を失ってはならない。
このくだらない無菌室を作り上げた世界の希望。
それが鮎喰響なのだ。

もし、文学というものが単なる文字列の世界ではなく、
人の心の深淵や喜怒哀楽を表すものならば…
まさに人間の魂、命を燃やすものであるならば、だ…
文学の天才である彼女は、人の魂の形を汲み取る異端者。
と、同時に人と人の心の繋がり方に、一石を投じた天才でもある。

彼女の異端の軌跡に刮目せよ。

彼女が静かに怒る時…
彼女が子供のような笑顔で喜ぶ時…
彼女と関わった人達は、どの様に変化していったか、を。
それを見逃すと、この映画の真価を見誤り、鮎喰響を見失うだろう。

もう一度言う。

鮎喰響という異端を失ってはならない。
 
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