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ボヘミアン・ラプソディ - tottokoさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ボヘミアン・ラプソディ
レビュワー tottokoさん
点数 6点
投稿日時 2021-07-17 00:07:25
変更日時 2021-07-17 00:07:25
レビュー内容
とても話題になった本作ですが音楽バンド映画として観るならとても凡庸な出来です。平均点ど真ん中くらいです。おそらくクイーンの楽曲が感動の底上げに三役くらい買っているのではないでしょうか。
クイーンの20年間を2時間に収めるのはたしかに難しいけど、どんな種類の伝記映画も抱える課題を克服できていません。各エピソードの羅列にとどまっており、フレディの内面を推し測るにはBSで放送していた英国製のドキュメンタリーを見た方がよほど有効です。
ライブ・エイドでのステージをクライマックスに持ってきたのにはなるほど、と思いました。当時わたしもテレビの中継にかじりつき、VHS3本に録画を収め、ラジオの音源も録音したものでした。お目当てのミュージシャンはクイーンではなかったのですが、しかし彼らのステージは間違いなくライブエイドにおける№1のパフォーマンスでありました。フレディの圧巻の熱量、声量、肉体の躍動には頬をひっぱたかれたかのような衝撃を覚えたものです。
そのライブを完璧に再現したという評価の本作。セットの細部やメンバーの動作など、確かに完コピできているとは思います。
でも、でもフレディじゃない。ラミ・マレックは誠実にフレディ・マーキュリーを演じたと思うけれど、そしてこれは彼にはどうにもできないことだけど、ラミにはフレディのような体格が無いのです。あのステージ映えする八頭身、長い脚、厚い胸板、頭部の小ささ。彼が舞台に仁王立ちして腕を高々と突き上げた時の筋肉美。他を圧倒するあの立ち姿をもってして、フレディはフレディ・マーキュリーたりうるのです。
汗光りしながら、マイクコードを華麗に脚でさばきつつステージを縦横に駆ける往時の「本物」の映像と比べると、最後まで涼しげにパフォーマンスを終えるラミ・マレック版ではフレディのオーラもナルシズムも感じることはできませんでした。
ブライアンやロジャー、ジョンが錯覚しそうになる位本人とソックリの役者さんなので、余計にラミが浮いて見えてしまいました。
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