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リチャード・ジュエル - ころりさんさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 リチャード・ジュエル
レビュワー ころりさんさん
点数 6点
投稿日時 2020-11-24 23:17:56
変更日時 2020-11-24 23:17:56
レビュー内容
いやー、イーストウッドは本当に意地悪な作家だ。主人公リチャード・ジュエルは、法執行者(law enforcer)であることに妙にこだわる一市民。爆弾テロ事件の英雄から一転、容疑者となって、その嫌疑を晴らすまで。ポール・ウォルター・ハウザーの外見含めて見事な演技で、墓穴を掘りまくる彼にイライラしながらも、とくに母親や弁護士の視線に同一化することで、国家権力やメディアという権力に憤りながら見るだろう。でも、いま(2020年の)アメリカで「法執行者」が持っている意味は、単なる「秩序の番人」以上の意味を持つ。なにしろ、法執行者による差別が社会問題化(警察の黒人への暴力、移民取締り官の過剰な取締り、などなど)している時代だ(5月のBLM運動以前から、これは大問題だった)。たぶん、リチャード・ジュエルが今生きていれば、彼は間違いなくトランプ支持者だろう。母親もたぶんそうだろう。そういう法執行や秩序への拘りは、ときに異質な人たちへの疑念を招き、そこに現れる暴力を正当化させる。そして、本作でもたしかに、爆弾事件の前夜のシークエンスで、ジュエルその人がたまたまバックパックを持ち込んだ男性を「怪しい」と思い込み、後を付けている。つまり、人を「疑う」ことはジュエルの仕事の一つなのだ。その彼が、今度は、彼の外見や性格や行動ゆえに、あらぬ疑念をかけられ苦悩する。だからこそ、それを乗り越えるラストは感動的なのであり、疑われても尊厳を示すことの美しさを見事に描いている。シンプルな「小さな英雄」物語のなかに、このような複雑に入り組んだ構造を押し込んでくるイーストウッドの意地悪さ。共和党支持者でありながら、いまの共和党政治をどこか突き放して見ているイーストウッドらしい、党派に絡め取られない「人間性」を描いた傑作・・・と言いたかったのだけれど、やはり私もあの女性記者の扱いは酷いと思う。今時めずらしい類型的過ぎる彼女の描き方、体を張った取材から陳腐な改心まで、どこまでも軽い。そこにはジュエルを通して描いた複雑さが全く見えない。それは、多分にイーストウッドの平板すぎる女性観ゆえだろう(そして、彼自身そのことを問題だと思っていない)。オリヴィア・ワイルドやジョン・ハムの好演でなんとなかっているものの、ジュエルたちと同様にFBIにもメディアにもあるはずの職業倫理やロジックが全く見えてこない。そこが過度に単純化されてしまったことが、本当に惜しい。
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