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タイトル名 |
恋人までの距離(ディスタンス) |
レビュワー |
港のリョーコ横浜横須賀さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2006-10-29 19:41:04 |
変更日時 |
2007-07-31 13:17:34 |
レビュー内容 |
今まで二度見たが、何度観ても二人の関係性は魅力的だ。 男女間でここまで幅広い会話が出来たら、きっと二人の関係に飽くことはないだろう。 幅広い会話を繰り広げるには、知性、ユーモア、思慮深さが必要なことも実感できる。
ウィーンを舞台にした車窓・風景・街並みの美しさは、 まるで自分が二人と共に旅をしているような感覚にさせてくれる。
時間の経過と共に変化が出てくる二人の関係の際立たせ方も面白い。 二人の関係を見透かしたように書かれた詩、セリーヌが好きだと言った絵、占い、 どれもハッキリとはしない「境界線の曖昧さ」が二人の関係にリンクし、 より儚く寓話的に二人の関係を強める要素になっていたと思う。 翌朝には別れてしまう歯痒さ、それでも惹かれ合い、徐々に縮まる二人の距離感は、 観ている者の胸も高鳴らせてくれる。
私が一番好きなのは、友達に電話をするフリをして互いの想いを伝え合うシーン。 あの場面はセリーヌのロマンティストさとウィットに富んだスマートさが 如実に表れている素敵な描写であり、あの手法自体もとても魅力的だ。 あのような素敵なユーモアの持ち主だからこそ、 会話にも知的さと優雅な空気を含ませる事が出来たのだろう。
観る者の想像に委ねたラストも素敵だが、 簡単には結ばれぬ二人ほど強く惹かれ合うのは、いつの時代も変わらないのだろう。 |
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