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ライアー - anemoneさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ライアー
レビュワー anemoneさん
点数 9点
投稿日時 2004-03-30 00:29:33
変更日時 2004-03-30 00:29:33
レビュー内容
いわゆるネタ物系の流れですがワザ有りのキャスティングで演技そのものが非常に楽しめる作り。ティム・ロスを軸に、クリス・ペン、マイケル・ルーカーという顔合わせが手堅いですよね。やはりティム・ロスは凄いの一言。この人は何でもお手のものといった器用さを持ちながら敢えて熱演系に走らない役選びのセンスに非常に信頼感があります。ここまで幅広く軽々とこなす役者さんもそうそういないと思うんですが、あまり濃い役に飛びついて行かないですよね。この作品ではさりげなく本領発揮といった感じです。イケてます。売春婦なのに妙に清潔感のあるレネー・ゼルヴィガーには個人的には少々食い足りないものを感じたのですが、この抑えた配役の中では案外この普通っぽさがいいのかも知れません。二転、三転といったトリック志向というよりはむしろ、あちこちに意表を突いた展開がこっそり忍ばせてあるという感じで、ところどころで「うひょーん」と驚きました。仕掛けに頼ったトリッキーな作品ではないと思います。どちらかと言えばティム・ロスの異常な感じを堪能し、人間の愚かさと悲哀を味わう作品なのではないでしょうか。絶妙な後味といい、いろんな意味でこなれた小品といった趣があって私はかなり好きです。オチについては、クリス・ペンがなんであのお金を返すことができたのか?って考えればわりと単純な話じゃないですか?一応サービスとしてついてるんだと思いますけど。
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